パッシングは捕まりますか？

パッシングは捕まりますか？その答えは、単純な「はい」または「いいえ」では済まされません。パッシング行為自体は道路交通法違反ではありません。しかし、どのように、どのような状況でパッシングを行うかによって、違反となる可能性があるのです。 パッシングは、相手車両への意思表示や注意喚起として重要な役割を果たしますが、その使用方法を誤ると、重大な交通事故やトラブルに繋がりかねません。

まず、パッシングの本来の目的を理解しましょう。それは、相手車両に自分の存在を知らせたり、危険を知らせたりすることです。例えば、対向車が進入してくる狭い道路で、自分の存在を知らせるためにパッシングをすることは、安全運転に資する行為であり、問題ありません。また、先行車が気づいていない危険（例えば、後方から接近する車両など）を知らせるために行うパッシングも許容される範囲でしょう。

しかし、問題となるのは、これらの目的以外のパッシングです。具体的には、以下のような行為は違反となる可能性が高いです。

• あおり運転としてのパッシング: 頻繁なパッシングや、長時間ハイビームを点灯したままのパッシングは、相手ドライバーを威嚇したり、脅迫したりする行為とみなされ、あおり運転として処罰の対象となります。これは、道路交通法違反だけでなく、場合によっては暴行罪や脅迫罪にも問われる可能性があります。 単なるパッシングではなく、他の行為（急ブレーキ、車間距離の詰めるなど）と併せて行われると、より厳しく罰せられます。

• 必要のないパッシング: 追い越し車線に十分な余裕があり、スムーズに追い越しできる状況で、単に早く通り過ぎたいという理由でパッシングを行うことは、必要のない行為であり、周囲のドライバーに不快感を与えます。 これは直接的な法令違反とはなりにくいものの、危険運転につながる可能性があり、警察の注意を受ける可能性があります。

• 危険な状況下でのパッシング: 視界が悪い状況や、交差点付近など、パッシングによって相手が混乱したり、危険な行動を取ったりする可能性がある状況でのパッシングは避けるべきです。

• ハイビームの不適切な使用: パッシングは、通常、ロービームの点滅で行います。ハイビームを長時間点灯したままにすることは、相手ドライバーの視界を奪い、危険な状態を作り出します。これは、道路交通法違反として罰せられる可能性があります。

パッシングは、ドライバー同士のコミュニケーションツールとして非常に有効ですが、その使用方法を誤ると、深刻な事態を招く可能性があります。 「相手を不快にさせない」「安全運転の妨げにならない」という点を常に意識し、必要最小限のパッシングにとどめることが重要です。 もし、パッシングによってトラブルに巻き込まれた場合は、冷静に対処し、状況証拠を記録しておくことが大切です。 必要に応じて、警察に相談することも検討しましょう。

結局、パッシング自体が違法というわけではありませんが、その行為の意図や状況によって、道路交通法違反や他の犯罪に問われる可能性があるのです。 安全で円滑な交通社会を築くために、適切なパッシングの利用を心がけましょう。