うんこビルの正式名称は?

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隅田川沿いにそびえ立つ、雲のような形をした金色のオブジェ。その奇抜な外観から「うんこビル」とも呼ばれるこの建造物の正式名称は、「フラムドール(金の炎)」です。フランス語で「金の炎」を意味し、アサヒビールの燃え上がる情熱を象徴しています。

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東京スカイツリーが完成するまで、隅田川沿いのランドマークとして長らく親しまれてきた金色のビル。その独特なフォルムから、親しみを込めて(あるいは少々からかい気味に)「うんこビル」という愛称で呼ばれてきました。しかし、正式名称は「フラムドール」です。フランス語で「金の炎」を意味するこの名前には、アサヒビールの情熱と未来への希望が込められています。

フラムドールは、スーパードライホール、アサヒビールタワー、そして聖火台と呼ばれるオブジェの3つの部分から構成されています。スーパードライホールは黒の御影石で覆われた直方体の建物で、アサヒビール本社などが入っています。その上に立つアサヒビールタワーは、ガラス張りの近代的なビルで、レストランやオフィススペースとして利用されています。そして、このタワーの屋上に鎮座するのが、話題の「金の炎」、すなわちフラムドールです。

このオブジェは、フランスのデザイナー、フィリップ・スタルク氏によるものです。彼は、アサヒビールの燃え上がる情熱を表現するために、炎をモチーフにデザインしました。金色に輝くダイナミックなフォルムは、まさに空に燃え上がる炎のようです。しかし、その形があまりにも独特だったため、見る人によっては別のものに見えてしまう、という事態が発生しました。

「うんこビル」という愛称が広く浸透した背景には、インターネットの普及が大きく影響しています。人々は気軽に写真を共有し、感想を書き込むことができるようになり、ユニークな形状のフラムドールは格好のネタとなりました。一度ついたあだ名は、まるでウイルスのように瞬く間に広がり、今では「うんこビル」の方が通じるほどになってしまったのです。

アサヒビール側としては、当初はこの愛称に難色を示していたとも言われています。しかし、皮肉なことに、この愛称のおかげでビルの知名度は飛躍的に向上しました。今では、海外からの観光客にも「うんこビル」として親しまれ、写真撮影スポットとして人気を博しています。

この現象は、現代社会における情報伝達の速度と影響力の大きさを示す好例と言えるでしょう。意図せずして生まれた愛称が、公式名称を凌駕するほどに広まるという、ある種の逆転現象。これは、企業のブランド戦略においても重要な示唆を与えています。

フラムドール、あるいは「うんこビル」。どちらの名前で呼ぶにせよ、この金色のオブジェは、東京の風景に欠かせない存在となっています。そして、その存在は、私たちに都市の景観、芸術の解釈、そしてインターネット時代の情報伝達について、様々なことを考えさせてくれます。隅田川を散策する際には、ぜひこのユニークな建築物に目を向けてみてください。その姿は、あなたにどんな印象を与えるでしょうか? もしかしたら、あなただけの新しい愛称が生まれるかもしれません。そして、その愛称がインターネットの波に乗って広がり、新たな都市伝説を生み出す可能性もあるのです。