退去時にタバコの匂いが残ったら退去費用はいくらですか?

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賃貸物件の退去時、タバコの臭いが残る場合、原状回復費用が発生します。これは通常の使用の範囲を超える損傷とみなされ、クロスや壁の張り替えなど、消臭・清掃費用を借主が負担する可能性が高いです。臭いの程度によっては高額な費用となるため、退去前には必ず消臭対策を行いましょう。

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退去時にタバコの匂いが残ったら退去費用はいくら? ~原状回復義務と匂いの落とし穴~

賃貸物件の退去時、誰もが気になるのが原状回復費用です。特に喫煙者にとって、タバコの匂いは大きな不安要素ではないでしょうか。この記事では、退去時にタバコの匂いが残った場合の費用相場や、匂いが発生するメカニズム、そしてできる限りの対策について解説します。

インターネット上には、退去費用の一般的な情報や原状回復義務に関する記事は多数存在しますが、この記事ではタバコの匂いに特化し、より具体的な情報を提供します。

タバコの匂いは「通常の使用」を超える損傷?

結論から言うと、タバコの匂いは原則として「通常の使用」を超える損傷とみなされる可能性が高いです。なぜなら、タバコの煙に含まれる成分は壁紙やカーテン、家具などに染みつき、容易に除去できないからです。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」においても、喫煙によるヤニ汚れや匂いは、借主の故意・過失によるものとして扱われる傾向にあります。

気になる退去費用の相場は?

では、実際にタバコの匂いが残った場合、どれくらいの費用が発生するのでしょうか?これは、喫煙の頻度、期間、換気の有無、そして物件の広さや構造によって大きく変動します。以下に、考えられる費用の内訳と、おおよその相場を示します。

  • クロス(壁紙)の張り替え: 壁全体にタバコの匂いが染み付いている場合、張り替えが必要になります。費用は、1㎡あたり1,000円~2,000円程度が一般的です。部屋全体となると、数万円から数十万円になることもあります。
  • 天井の張り替え: 壁と同様に、天井にもタバコの煙が染み付きやすいです。費用相場はクロスと同様です。
  • 消臭作業: 特殊な薬剤を使用した消臭作業が必要になる場合があります。費用は、部屋の広さや作業内容によって数千円~数万円程度です。
  • その他(カーテン、畳、エアコンなど): カーテンや畳、エアコンにも匂いが染み付いている場合は、クリーニングや交換費用が発生する可能性があります。

匂いはどうして残る? 匂いの元を断つ!

タバコの匂いが残る原因は、タバコの煙に含まれるタールやニコチンなどの成分が、壁や家具に付着し、時間とともに酸化・分解されることです。これらの成分は、目に見えないレベルで繊維の奥深くまで浸透するため、換気をしても完全に除去することは困難です。

匂いを残さないためには、まず喫煙場所を限定することが重要です。換気扇の下や窓際など、できるだけ換気の良い場所で喫煙し、こまめに換気を行いましょう。また、空気清浄機や消臭剤を積極的に活用することも有効です。

退去前にできること – セルフケアのススメ

退去前に、できる限りの消臭対策を行うことで、原状回復費用を抑えることができる可能性があります。

  • 徹底的な換気: 退去前数日間は、窓を全開にして徹底的に換気しましょう。
  • アルコール清掃: 壁や家具をアルコールで拭き掃除することで、タバコのヤニを落とすことができます。
  • 重曹ペースト: 重曹ペーストを壁に塗り、数時間置いてから拭き取ることで、消臭効果が期待できます。
  • 専門業者への依頼: どうしても匂いが気になる場合は、ハウスクリーニング業者に相談し、専門的な消臭作業を依頼するのも一つの方法です。

もし高額な請求が来たら?

万が一、高額な原状回復費用を請求された場合は、まずは見積もりの内訳を確認し、納得できない場合は管理会社や大家さんと話し合いましょう。証拠写真などを残しておくと、交渉の際に有利になることがあります。また、国民生活センターや弁護士に相談することも検討しましょう。

タバコの匂いは、退去時のトラブルの元となりやすい要素です。日頃から喫煙場所や換気に気を配り、退去前にできる限りの対策を行うことで、トラブルを未然に防ぎましょう。