後遺障害14級の示談金の相場はいくらですか？

後遺障害14級の示談金、本当に「相場」は存在するのか？～弁護士が教える示談金交渉のリアル

交通事故で後遺障害14級の認定を受けた場合、多くの方がまず気になるのが「示談金の相場」ではないでしょうか。「相場は100万円から300万円程度」といった情報がインターネット上には溢れていますが、鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、後遺障害14級の示談金に、画一的な「相場」は存在しないからです。

確かに、慰謝料の算定基準として、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準（裁判基準）が存在し、弁護士基準が最も高額になる傾向があるのは事実です。しかし、後遺障害慰謝料はあくまで賠償金の一部に過ぎず、示談金全体を大きく左右するのは、むしろ逸失利益の額です。

逸失利益とは、後遺症によって将来得られなくなるであろう収入のこと。つまり、事故前の収入、年齢、職業、後遺症の内容、労働能力喪失率などが複雑に絡み合って算出されるため、個々の状況によって大きく変動するのです。

例えば、同じ後遺障害14級でも、デスクワーク中心の事務職の方と、重労働を伴う建設業の方では、労働能力の喪失度合いが異なり、逸失利益に大きな差が生じます。また、若い方ほど将来にわたって失う収入が大きくなるため、高齢の方よりも高額な逸失利益が認められる傾向にあります。

さらに、過失割合も重要な要素です。被害者側にも過失がある場合、その割合に応じて賠償金が減額されます。

このように、後遺障害14級の示談金は、慰謝料、逸失利益、過失割合といった様々な要素が複雑に絡み合って決定されるため、「相場」という言葉で一括りにするのは非常に危険です。

安易にインターネット上の情報だけを信じて示談交渉を進めてしまうと、本来得られるはずの正当な賠償金を逃してしまう可能性があります。

そこで、後遺障害14級の認定を受けられた場合は、必ず弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、個別の状況を丁寧にヒアリングし、適切な賠償金額を算出してくれます。また、加害者側の保険会社との交渉を代行してくれるため、精神的な負担を軽減することができます。

後遺障害14級の示談交渉は、専門的な知識と経験が不可欠です。弁護士に相談することで、自身の権利を最大限に守り、適正な賠償金を得ることができるでしょう。

「相場」という言葉に惑わされず、まずは専門家への相談を検討してみてはいかがでしょうか。それが、後悔しない示談交渉への第一歩となるはずです。