むちうちの通院が3ヶ月で打ち切りになるのはなぜ？

むちうち治療、なぜ3ヶ月で打ち切り？隠された理由と対策を徹底解説

交通事故によるむちうち症、辛い症状に苦しんでいるにも関わらず、保険会社から「治療費の支払いを3ヶ月で打ち切ります」と言われた経験はありませんか？多くの人が直面するこの問題には、複雑な背景が隠されています。今回は、なぜむちうち治療が3ヶ月で打ち切りになることが多いのか、その理由と、もし打ち切りになった場合の対策を徹底的に解説します。

1. なぜ3ヶ月？保険会社側の思惑

冒頭でも触れられているように、むちうち症は比較的軽症とみなされ、初期の治療とリハビリで改善が見込めるケースが多いとされています。しかし、保険会社が3ヶ月という期間を重視する背景には、それだけではありません。

• 損害保険料率算出機構の基準: 保険会社は、損害保険料率算出機構が定める「自動車損害賠償責任保険後遺障害等級認定基準」を参考にしています。この基準では、むちうち症による神経症状の後遺障害認定は、客観的な医学的所見に乏しい場合、難しいとされています。つまり、レントゲンやMRIなどの画像検査で明確な異常が見つからない場合、後遺障害として認められにくいのです。
• 示談交渉の長期化を避ける: 治療期間が長引けば長引くほど、保険会社は治療費を支払い続けなければなりません。早期に症状固定と判断し、治療費の支払いを打ち切ることで、示談交渉を早期に終わらせたいという思惑も存在します。
• 過剰な治療の抑制: 症状が改善しているにも関わらず、漫然と治療を続けるケースを避けるため、3ヶ月を目安に区切りをつけようとする意図もあります。

2. 3ヶ月で本当に症状が改善するのか？

むちうち症の症状は、人によって大きく異なります。3ヶ月で完全に症状が改善する人もいれば、長期間にわたって痛みや痺れが残る人もいます。症状が改善しないまま治療を打ち切られてしまうと、その後の生活に大きな支障をきたす可能性があります。

3. 打ち切りと言われたら、どうすればいい？

もし保険会社から治療費の打ち切りを宣告された場合、諦めずに以下の対策を検討しましょう。

• 医師との連携: まずは、担当医師に症状の詳細を伝え、治療の必要性を訴えましょう。医師の診断書や意見書は、保険会社との交渉において非常に重要な証拠となります。
• 後遺障害診断書の作成: 症状が改善しない場合は、後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。診断書には、自覚症状だけでなく、神経学的検査の結果や、日常生活における支障についても詳しく記載してもらうことが重要です。
• 弁護士への相談: 保険会社との交渉は、専門的な知識や経験が必要です。弁護士に相談することで、法的なアドバイスを受け、適切な対応策を講じることができます。特に、後遺障害の認定を視野に入れている場合は、弁護士のサポートは不可欠です。
• 自費での治療継続: 保険会社との交渉が難航する場合、一旦自費で治療を継続することも検討しましょう。治療の継続は、症状の悪化を防ぐだけでなく、後遺障害の認定においても有利に働く可能性があります。
• 第三者機関への相談: 交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなどの第三者機関に相談することも有効です。中立的な立場でアドバイスを受けることができます。

4. 重要なのは「記録」と「専門家との連携」

むちうち治療で最も重要なのは、日々の症状を詳細に記録することです。痛みや痺れの程度、日常生活における支障などを記録することで、客観的な証拠として活用することができます。

そして、医師や弁護士などの専門家と連携し、適切な治療を受け、法的なサポートを得ることで、不利な状況を打開できる可能性が高まります。

むちうち症は、見た目には分かりにくい症状であるため、周囲の理解を得にくいこともあります。しかし、諦めずに適切な対策を講じることで、症状の改善と、正当な賠償金の獲得を目指しましょう。