救急車で搬送される割合は?

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日本の救急搬送は、1日平均2万900件、4秒に1回という驚くべき頻度で発生しています。これは国民規模で考えると、20人に1人が救急搬送を経験するほどの高い割合に相当し、日本の医療システムにおける救急医療の逼迫ぶりを如実に示しています。

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救急車を呼ぶのはどんな時?搬送される割合から見える日本の救急医療の課題

日本の救急搬送件数が非常に多いことは、冒頭のデータからも明らかです。年間700万件以上、国民の20人に1人が救急搬送されるというのは、決して他人事ではありません。しかし、その裏側には、救急車の適正利用という重要な課題が潜んでいます。

救急搬送される割合が高い背景には、いくつかの要因が考えられます。

  • 高齢化社会: 高齢者は、持病を抱えている場合が多く、容態が急変しやすい傾向にあります。また、一人暮らしの高齢者が増えていることも、緊急時の対応が遅れがちになる一因です。
  • コンビニ受診の延長: 夜間や休日に診療してくれる医療機関が少ないため、緊急性の低い症状でも救急外来を受診する人が少なくありません。特に、軽微な風邪や切り傷などで救急車を呼ぶケースも存在します。
  • 救急医療の認識不足: 救急車は「緊急性の高い患者」のために存在するという認識が薄れている可能性があります。「すぐに診てもらいたい」「移動手段がない」といった理由で、救急車をタクシー代わりに利用する人もいるようです。

では、具体的にどんな症状であれば救急車を呼ぶべきなのでしょうか?総務省消防庁では、救急車利用マニュアルを作成し、以下のような症状を例示しています。

  • 意識がない
  • 呼吸困難
  • 激しい胸痛
  • 突然の麻痺(手足や顔)
  • 大量出血
  • けいれん

これらの症状は、命に関わる危険性があるため、迷わず救急車を呼ぶべきです。一方で、軽微な症状や慢性的な症状の場合は、かかりつけ医や夜間診療などを検討しましょう。

救急車の不適切な利用は、本当に必要な人が救急医療を受けられないという深刻な事態を招きます。救急車の到着が遅れることで、助かる命が助からないということも起こり得るのです。

私たち一人ひとりが、救急医療の現状を理解し、救急車の適正利用を心がけることが大切です。総務省消防庁が提供する「救急受診ガイド」や「全国版救急受診アプリ(愛称:Q助)」などを活用し、症状に応じて適切な行動をとるようにしましょう。

日本の救急医療を守るためには、国民全体の意識改革が必要です。救急車は命をつなぐ最後の砦。それを守るためには、私たち一人ひとりの理解と協力が不可欠なのです。