照胃鏡要空腹幾個小時？

胃カメラ検査、空腹時間の「なぜ？」と「もしも」

胃カメラ検査、別名「胃内視鏡検査」は、胃の内部を直接観察することで、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの病気を早期に発見するための重要な検査です。検査を受ける際に必ず守らなければならないのが「空腹」であること。一体なぜ、胃カメラ検査前に空腹でいなければならないのでしょうか？ そして、もし空腹時間を守らなかったらどうなるのでしょうか？

空腹時間の「なぜ？」：3つの重要な理由

胃カメラ検査で空腹状態が求められる理由は、大きく分けて以下の3つです。

1. 鮮明な観察のため： 胃の中に食べ物が残っていると、胃の壁が隠れてしまい、医師が病変を見つけにくくなります。小さなポリープや初期の炎症などは、食べ物によって隠れてしまうと発見が遅れてしまう可能性があります。
2. 安全な検査のため： 検査中に嘔吐反射が起こることがあります。胃の中に食べ物がある状態で嘔吐してしまうと、誤嚥（ごえん）、つまり吐いたものが気管に入ってしまう危険性があります。特に、鎮静剤（麻酔）を使用する場合には、反射機能が低下しているため、誤嚥のリスクはさらに高まります。
3. 正確な検査のため： 検査中に組織を採取（生検）することがあります。胃の中に食べ物があると、採取した組織の正確な診断が難しくなる場合があります。また、検査時間が長引いたり、再検査が必要になる可能性もあります。

胃カメラ検査前の理想的な空腹時間：8時間以上が基本

一般的に、胃カメラ検査を受ける前は、8時間以上の絶食が必要とされています。これは、固形物が胃から完全に排出されるまでに、およそ6～8時間程度かかるためです。

空腹時間を守らなかったら？：「もしも」の事態

もし、十分な空腹時間を守らずに胃カメラ検査を受けてしまった場合、以下のようなリスクが考えられます。

• 検査の中止： 胃の中に食べ物が残っている場合、安全のために検査が中止になることがあります。
• 誤嚥性肺炎のリスク： 先述したように、嘔吐したものが気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。これは、特に高齢者や体力のない方にとって、重篤な状態につながる危険性があります。
• 再検査の必要性： 食べ物が邪魔をして、病変を十分に観察できなかった場合、再検査が必要になることがあります。これは、患者さんの身体的・精神的な負担だけでなく、時間や費用の負担も増やすことになります。

検査前の注意点：飲み物にも注意！

検査前は、水やお茶などの透明な飲み物であれば、少量であれば飲んでも問題ない場合もありますが、事前に医療機関に確認することが重要です。牛乳やジュースなどの糖分を含む飲み物、コーヒーや紅茶などは、胃酸の分泌を促進するため、避けるようにしましょう。

まとめ：安全で確実な検査のために

胃カメラ検査は、早期発見・早期治療に繋がる重要な検査です。検査を安全かつ確実に行うためには、医師の指示に従い、十分な空腹時間を守ることが非常に重要です。検査を受ける前に、不明な点や不安なことがあれば、遠慮なく医療機関に相談し、安心して検査に臨みましょう。