看護師は何職ですか?

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看護職は、保健師、助産師、看護師、准看護師の4職種を包括する総称です。それぞれ専門性と役割を異にしつつ、人々の健康増進、疾病予防、療養生活の支援、そして生命の尊厳保持に貢献しています。多様な専門性を持つ看護職が協働することで、包括的な医療を提供できるのです。

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看護師は何職か?という問いは、一見単純に見えますが、その実、日本の医療における看護の奥深さ、そして多様性を理解する上で非常に重要な問いです。単に「看護師」と呼ぶだけでは、その多様な専門性と役割を捉えきれないのです。看護職は、ひとくくりに「看護師」と呼ぶのではなく、実際には複数の職種から成り立っており、それぞれが異なる専門性と責任を担っています。

まず、大きく分けると、保健師、助産師、看護師、准看護師の4職種が挙げられます。これらは全て「看護職」という大きな枠組みの中に含まれ、それぞれが連携し、国民の健康と福祉に貢献しています。しかし、それぞれの職種は資格取得に必要な教育課程や、専門的な知識・技術、そして担う役割に明確な違いがあります。

看護師は、医師の指示の下、医療行為を行うだけでなく、患者さんの状態観察、バイタルサインの測定、薬剤の投与、点滴、創傷処置など、幅広い医療行為を担っています。高度な医療技術を必要とする場面も多く、大学や専門学校での高度な教育と国家試験合格が必須です。急性期病院から慢性期病院、介護施設、訪問看護ステーションなど、多様な場所で活躍し、患者の状態に応じた適切な看護を提供しています。近年では、専門看護師制度の充実により、特定の専門分野における高度な専門性を有する看護師も増加しています。例えば、がん看護専門看護師、循環器看護専門看護師などは、それぞれの専門領域において高度な知識と技術を駆使し、患者のQOL向上に大きく貢献しています。

准看護師は、看護師と比較して、できる医療行為に制限がありますが、患者さんの身の回りの世話や、簡単な医療行為を担当します。看護師を補佐する役割を担い、医療現場において重要な役割を担っています。医療機関以外では、介護施設などで活躍する機会も多くあります。看護師を目指すためのステップとして、准看護師資格を取得する人も少なくありません。

助産師は、妊娠、出産、産後ケアに関する専門的な知識と技術を持つ看護職です。妊婦さんの健康管理、出産介助、新生児のケア、産後ケアなど、妊娠から出産、そして育児までを包括的にサポートします。高度な技術と深い知識、そして女性特有の身体的・精神的なケアに対する深い理解が求められます。近年では、女性のライフステージの変化に伴い、不妊治療や更年期障害への対応など、その役割も多様化しています。

保健師は、個人の健康増進や疾病予防を支援する役割を担います。健康診断や予防接種、健康相談、健康教育などを通して、個人の健康レベル向上に貢献しています。地域住民の健康課題を把握し、地域住民の健康を包括的に捉え、保健指導や健康増進プログラムの企画・実施など、地域社会における健康づくりの中核を担っています。学校保健、職場保健など、多様な場所で活躍し、個人の健康を守り、健康寿命の延伸に貢献しています。

このように、看護職は単一の職業ではなく、それぞれの職種が独自の専門性と役割をもち、互いに連携しながら医療・保健サービスを提供しています。一見同じ「看護」という言葉で括られていても、その実態は非常に多様性に富んでおり、それぞれの職種が医療現場、そして社会全体において不可欠な存在であると言えるでしょう。 今後、高齢化社会の進展や医療ニーズの高度化に伴い、看護職の役割はますます重要性を増していくと予想されます。