世界で1番言葉が多い国はどこですか?

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中国語は世界で最も多くの話者数を誇る言語です。中国の人口13億人を超える規模がその要因であり、母語話者数において圧倒的な数を占めます。世界には数千の言語が存在しますが、中国語の圧倒的な母語話者数は、その地位を揺るぎないものとしています。

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言葉の多様性の宝庫:世界で一番「言葉が多い国」はどこ?

中国語の話者数が世界で最も多いことはよく知られていますが、それはあくまで「言語」の話です。「国」単位で見た場合、話されている言葉の種類、つまり言語の多様性で世界一を誇るのはどこなのでしょうか?

結論から言うと、その答えはパプアニューギニアです。

パプアニューギニアは、南太平洋に位置する島国で、熱帯雨林や山岳地帯が国土の大部分を占めています。人口は約900万人と決して多くはありませんが、驚くべきことに、800以上の異なる言語が話されていると言われています。これは、世界の言語の約10%にあたります。

なぜパプアニューギニアは、これほどまでに言語が多様なのでしょうか?その理由は、主に以下の点が挙げられます。

  • 地理的な要因: 国土の多くが険しい山岳地帯であり、人々が孤立した集落に分かれて生活してきたため、それぞれ独自の言語や文化が発達しました。移動や交流が困難だったことが、言語の多様性を生み出す大きな要因となっています。
  • 部族社会の構造: パプアニューギニアは、数多くの部族がそれぞれ独自の文化や言語を持っている部族社会です。部族間での交流は必ずしも活発ではなく、それぞれの部族内で独自の言語が発展してきました。
  • 歴史的な要因: 長い間、外部からの影響が比較的少なかったことも、独自の言語が維持され、発展してきた理由の一つです。

パプアニューギニアの言語は、主にパプア諸語とオーストロネシア語族に分類されますが、その多くが話者数の少ないマイナーな言語です。中には、数百人、あるいは数十人しか話さない言語も存在します。これらの言語は、それぞれの部族の文化や歴史と深く結びついており、言語が消滅することは、文化の喪失にもつながります。

近年、グローバル化の波や、より広い地域で通用する共通語(主に英語やトク・ピシン)の普及により、パプアニューギニアの多くの言語が消滅の危機に瀕しています。政府や国際機関は、言語の記録や保存、教育における母語の尊重などを通じて、言語の多様性を守るための取り組みを進めています。

パプアニューギニアの言語の多様性は、人類の文化遺産とも言える貴重なものです。その保護と継承は、単に言語を守るだけでなく、それぞれの文化や歴史を未来へと繋げていく上で非常に重要な意味を持っています。

世界で一番多くの「言葉」が話されている国、パプアニューギニア。その多様な言語が織りなす豊かな文化に、ぜひ注目してみてください。