結婚すると税金は安くなる？

結婚すると税金が安くなる？ これは多くのカップルの関心の的であり、答えは「場合による」です。単に結婚しただけで自動的に税金が安くなるわけではありません。税金軽減効果の有無、そしてその大きさは、それぞれの夫婦の年収、年齢、扶養家族の有無など、多くの要因に左右されます。

この記事では、結婚による税金への影響を、具体的な制度を交えながら解説します。 盲目的に「結婚すれば税金が安くなる」と考えるのではなく、自身の状況を正確に把握し、メリット・デメリットを理解した上で判断することが大切です。

まず、結婚によって税金が軽減される主な要因は「配偶者控除」と「配偶者特別控除」です。 これらの控除は、所得税と住民税の両方に適用されます。

配偶者控除: これは、配偶者の所得が一定額以下の場合に適用される控除です。 配偶者の所得が103万円以下であれば、配偶者の収入に関わらず、一定額が控除されます。しかし、2024年度以降は、配偶者の年収が150万円を超える場合、配偶者控除は適用されなくなります。そのため、年収150万円を超える人は、配偶者特別控除の適用を検討する必要があります。 控除額は、扶養している子供の数や、本人の所得金額によって変動します。 年収が高くなるほど控除額が減少していく漸減方式が採用されています。つまり、高収入の夫婦ほど、配偶者控除による税金軽減効果は小さくなります。

配偶者特別控除: 配偶者の年収が103万円を超える場合に適用される控除です。 こちらは、配偶者の所得に応じて控除額が変動します。配偶者の年収が高くなるほど、控除額は小さくなります。 配偶者控除と併用することはできません。 配偶者控除と配偶者特別控除は、どちらか一方しか適用できません。

その他の税制上のメリット: 配偶者控除や配偶者特別控除以外にも、結婚によって税金が安くなる可能性があります。例えば、住宅ローン控除を利用する場合、共働き世帯の方が単独世帯よりも控除額が大きくなる場合があります。また、生命保険料控除や社会保険料控除なども、収入や家族構成によって影響を受けるため、結婚によって控除額が変化する可能性があります。

税金が安くなるケースとそうでないケース: 例えば、共働きの夫婦で、どちらも高収入の場合、配偶者控除の適用は受けられないか、受けられたとしても控除額は少なく、税金軽減効果は限定的です。 逆に、専業主婦(夫)世帯で、夫(妻)が高収入の場合、配偶者控除を適用することで、大きな税金軽減効果が期待できます。

まとめ: 結婚によって税金が安くなるかどうかは、個々の状況によって大きく異なります。 配偶者控除や配偶者特別控除の適用条件、控除額、その他の税制上の優遇措置を総合的に検討する必要があります。 正確な税金計算を行うためには、税理士や税務署に相談することも有効な手段です。 結婚を検討する際には、税金面についても事前にしっかりと把握し、将来の経済計画に反映させることが重要です。 漠然とした期待ではなく、具体的な数値を基に、メリットとデメリットを比較検討することで、より賢い選択につながります。 インターネット上の情報だけでなく、専門家の意見も参考に、自分たちに最適な判断をしてください。