結婚式で「忙しい」は忌み言葉ですか？

結婚式で「忙しい」は本当に忌み言葉？背景と現代における捉え方

結婚式で「忙しい」という言葉を避けるべき、というのはよく聞く話ですね。その理由は、ご指摘の通り「心を亡くす」という字面から、新郎新婦や参列者の心に余裕がない、結婚生活が上手くいかない、といったネガティブな連想を招くためとされています。結婚式は縁起を担ぐ場ですから、こうした「忌み言葉」と呼ばれるものは極力避ける、というのが古くからのマナーでした。

しかし、現代においては、この「忙しい」という言葉に対する捉え方も変化してきています。本当に「忙しい」から参列できない、手伝いが難しいという状況も当然あり、無理に別の言葉で言い換えることが、かえって不自然になったり、相手に誤解を与えたりする可能性も考えられます。

例えば、招待を断る際に「忙しいので…」と言う代わりに「どうしても都合がつかず…」と言ったとしても、相手には「何か隠しているのでは？」という疑念を抱かせてしまうかもしれません。また、手伝いを断る際に「忙しいので…」と言う代わりに「他の予定がありまして…」と言ったとしても、具体的に何をしているのか説明を求められ、かえって気まずくなることもあります。

つまり、大切なのは言葉そのものではなく、相手への配慮です。

• 招待を断る場合: 「お招きいただきありがとうございます。ぜひお祝いしたかったのですが、どうしても外せない用事があり、今回は欠席させていただきます。お二人の幸せを心から願っています。」のように、感謝の気持ちと欠席することへの謝罪を丁寧に伝えることが大切です。
• 手伝いを断る場合: 「お声がけいただきありがとうございます。大変申し訳ないのですが、すでに他の予定が入っておりまして、今回はお力になれません。何かできることがあれば、ぜひ後日お声がけください。」のように、断る理由を曖昧にせず、具体的な事情を説明しつつ、後日協力する意思を示すことが重要です。
• 結婚式当日の会話: 会話の中でどうしても「忙しい」という言葉を使いたい場合は、「おかげさまで充実した日々を送っています」のように、ポジティブな意味合いで使うことを意識すると良いでしょう。

結局のところ、「忙しい」という言葉を使うか否かよりも、誠意を持って相手に伝えることが重要です。形式的なマナーに縛られすぎず、状況に応じて臨機応変に対応することが、よりスマートな大人のマナーと言えるのではないでしょうか。新郎新婦への祝福の気持ちを込めて、失礼のない言葉遣いを心がけましょう。