結婚祝いに縁起の悪いものは？

結婚祝いは、人生における大きな節目を祝う大切なイベントです。お祝いをする側としては、心温まる贈り物を選び、新生活への祝福の気持ちを伝えたいものです。しかし、せっかくの気持ちも、贈り物選びを間違えると、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。 そこで、結婚祝いに避けるべき「縁起が悪い」とされる品物について、詳しく見ていきましょう。 単に「縁起が悪い」というだけでなく、その背景にある文化や風習、そして現代的な解釈も踏まえて考察します。

前述のように、櫛やハンカチは、古くから縁起が悪いとされています。櫛の「くし」は「苦」に通じ、不幸を招くと考えられてきました。これは、音の響きによる連想から生まれた忌避感と言えるでしょう。ハンカチも同様で、「手巾（てぎれ）」という言葉が「手切れ」を連想させることから、夫婦仲の不和を招くという迷信があります。これらの品物は、たとえ高価で美しいものであっても、結婚祝いの贈り物としては避けるべきでしょう。 現代では、これらの迷信を気にしない人もいるかもしれませんが、贈り物を選ぶ際には、相手への配慮を第一に考えることが大切です。

日本茶も、弔事によく用いられることから、結婚祝いには不適切とされています。特に、格式のある煎茶や抹茶などは、慶事よりも弔事の場面で用いられることが多いです。 これは、日本茶自体が悪いというわけではなく、その使用状況と結婚祝いの明るい雰囲気とのミスマッチからくるものです。 もちろん、カジュアルなティーバッグ入りの紅茶やハーブティーであれば、問題ない場合もありますが、日本茶を選ぶ際には、相手との関係性や贈り物全体の雰囲気を考慮する必要があります。

さらに、刃物なども縁起が悪いとされています。これは、「縁を切る」という連想からきています。包丁やナイフなどの刃物は、新生活の始まりに相応しくない、とされています。 また、時計も「時が来る」＝「死期が来る」という連想から避けられることがあります。 特に、高齢の方への贈り物として、時計を避ける傾向は強いでしょう。 しかし、現代ではデザイン性の高い時計は人気が高く、贈り物としても喜ばれる場合もあります。 もし時計を贈る場合は、デザインやブランド、そして相手との関係性などを十分に考慮する必要があります。

その他、ペアのグラスや食器などは、一見すると縁起の良い贈り物に見えますが、もし割れてしまったら「縁が切れる」と解釈される可能性も考慮すべきでしょう。 これは迷信の領域ですが、贈り物を選ぶ際には、多少のマイナス面も想像しておくことが大切です。

結局のところ、「縁起が悪い」とされる品物は、その言葉や物自体にネガティブな連想が結びついていることが多く、贈られた側が不快感を感じたり、不幸を招くようなイメージを抱いてしまう可能性があるものです。 結婚祝いという大切な機会には、幸せな未来を想起させる、ポジティブなイメージの贈り物を選ぶことが重要です。 贈り物を選ぶ際には、相手の好みや状況を考慮し、心からの祝福の気持ちを込めた品を選ぶようにしましょう。 それが、真の「縁起の良い」贈り物となるはずです。