「していただく」の他の言い方は？

「していただく」以外の表現、使い分けで敬意をスマートに伝えよう

ビジネスシーンやフォーマルな場面、目上の方と接する時など、日本語では「敬語」を使いこなすことが求められます。特に「〜していただく」は頻繁に使う表現ですが、いつも同じ表現では単調になり、時には適切な敬意が伝わりづらい場合もあります。そこで今回は、「〜していただく」の代わりに使える様々な表現とその使い分けについて、詳しく解説していきます。

「〜していただく」は、相手にしてもらう行為に対して感謝や敬意を表す表現です。しかし、状況によってはより丁寧な表現や、少し柔らかいニュアンスの表現を使いたい場合もあるでしょう。以下に、いくつかの代替表現と、それぞれのニュアンス、具体的な使用例を紹介します。

1. より丁寧な表現

• 賜る（たまわる）： 古風な響きを持つ、非常に丁寧な表現です。相手からの行為を「頂戴する」という意味合いを含み、深い敬意を示します。「ご助言を賜りたく存じます」「ご指導賜りますようお願い申し上げます」のように使います。
• 頂戴する（ちょうだいする）： 「もらう」の謙譲語で、「いただく」よりもさらに丁寧な表現です。「ご意見を頂戴できますでしょうか」「資料を頂戴いたしたく存じます」といった形で使われます。ビジネスシーンで特に有効です。
• お願いする（おねがいする）： これは「〜していただく」の基本的な言い換え表現です。丁寧な表現ではありますが、上記２つと比べるとややカジュアルなニュアンスになります。「ご確認をお願いいたします」「ご返信をお願いいたします」など、幅広く使えます。

2. 柔らかいニュアンスの表現

• 〜てもらえますか / 〜ていただけますか： 依頼する際に、相手への負担を軽く感じさせる表現です。「ご確認いただけますでしょうか」「ご説明いただけますでしょうか」のように使います。相手に選択の余地があることを暗に示し、より丁寧な印象を与えます。
• 〜ていただけると幸いです / 〜ていただけると助かります： 相手への感謝と、依頼が叶えば嬉しいという気持ちを伝える表現です。「ご検討いただけると幸いです」「ご協力いただけると助かります」のように使います。相手への配慮が感じられるため、好印象を与えやすいでしょう。
• 〜くださいますか： 「〜してください」の尊敬語で、相手への敬意を表す表現です。「ご教授くださいますか」「ご出席くださいますか」のように使います。ややフォーマルな印象を与えます。

3. その他の表現

• 〜願えますか（ねがえますか）： 「お願いする」よりもやや古風で丁寧な表現です。「ご検討願えますでしょうか」「ご出席願えますでしょうか」のように使います。
• お〜願う（お〜ねがう）： 「お願いする」の尊敬語です。「お越し願います」「お聞き願います」のように、特定の動詞と組み合わせて使います。

4. シチュエーション別使い分け例

• 上司への報告：「資料をご確認頂戴できますでしょうか」 (丁寧さを重視)
• クライアントへの依頼：「ご検討いただけると幸いです」 (配慮と希望を伝える)
• 同僚への依頼：「確認してもらえる？」 (親しみを込めた表現)
• 目上の方への相談：「ご助言を賜りたく存じます」 (深い敬意を示す)

このように、「〜していただく」以外にも様々な表現があります。それぞれのニュアンスを理解し、状況に応じて適切な表現を使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションを図り、相手に好印象を与えられるでしょう。TPOに合わせて使いこなせるよう、普段から意識して使ってみることが大切です。