「すみません」の原義は?

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「すみません」は「済まない」の短縮形であり、江戸時代に生まれた言葉です。「済む」は本来「完了する」といった肯定的な意味でしたが、室町時代から「気持ちが落ち着く」といったニュアンスを持つようになりました。
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「すみません」の原義

「すみません」は「済まない(すまぬ)」の短縮形であり、江戸時代に生まれた言葉です。

「済む」の意味の変化

本来、「済む」は「完了する」「終わる」といった肯定的な意味を持っていました。しかし、室町時代頃から「落ち着く」「安堵する」といったニュアンスが含まれるようになりました。

この意味の変化は、仏教用語の「済度(さいど)」の影響によるものと考えられています。「済度」は、迷いの世界から悟りの世界に渡り切ることを意味します。このことから、「済む」は、心が不安定な状態から落ち着くことを指すようになりました。

「すみません」の成り立ち

江戸時代になると、「済まない」が「心が落ち着かない」という意味で使われるようになりました。この際、「ない」の部分が省略されて「すみません」という形が生まれたと考えられています。

「すみません」は、自分の行為や言動が相手を不快にさせたり、迷惑をかけたりしたことを認識して、謝罪の意を表す際に用いられます。また、単に相手に対する敬意を表す表現としても使われています。

現代では「すみません」が広く使用されていますが、江戸時代初期には主に武家社会で使われており、庶民の間では「わりない」「わびる」などが謝罪の言葉として使われていました。