「思っております」は履歴書に書けますか？

履歴書に「思っております」と書くのは適切でしょうか？ 結論から言えば、状況によっては避けた方が無難です。一見丁寧な表現に見える「思っております」ですが、履歴書というフォーマルな文書においては、若干不自然で、場合によっては採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があるからです。

「思っております」は、丁寧な言葉ではありますが、やや古風で、ビジネスシーンでは過度に丁寧すぎる印象を与えかねません。現代のビジネス文書、特に履歴書のような簡潔さが求められる文書では、直接的で分かりやすい表現が好まれます。「～と考えております」や「～と認識しております」といった婉曲表現も、場合によっては冗長になり、簡潔さを欠くため、避けられるべきです。

では、どのような表現が適切なのでしょうか？ 「思います」「考えています」といった、より簡潔で現代的な表現が最適です。例えば、「貴社で貢献できると思っております」という文章は、「貴社で貢献できると考えています」や「貴社への貢献を希望しています」などに言い換えることができます。後者の表現の方が、意欲的で、かつ簡潔で、採用担当者にとって理解しやすいでしょう。

特に、スキルや経験に関する記述においては、曖昧な表現を避け、具体的な実績や能力を明確に示すことが重要です。例えば、「コミュニケーション能力を向上させたいと思っております」よりも、「大学時代のサークル活動で、メンバー10名と連携し、イベントを成功に導いた経験があります。この経験を通して、円滑なコミュニケーションの重要性を学びました」といった具体的な記述の方が、あなたの能力を効果的に伝えることができます。

「思っております」を使うべきではない、と断言するわけではありません。例えば、自己PRの締めくくりとして、「貴社の一員として貢献できることを心から願っております」のように、熱意を示す文脈であれば、許容範囲内と言えるでしょう。しかし、この場合でも、「貴社の一員として貢献したい」というように、より簡潔な表現に置き換えることができれば、なお良いでしょう。

履歴書は、あなたの能力や経験を正確かつ効果的に伝えるためのツールです。採用担当者は、多くの履歴書を読み、短時間で応募者の能力を判断する必要があります。そのため、曖昧な表現や古風な表現は、あなたの能力を正しく伝える妨げとなりかねません。

簡潔で分かりやすく、具体的な実績を交えながら、あなたの能力や意欲を効果的にアピールすることが、履歴書作成のポイントです。 「思っております」のような表現に頼らず、自信を持って、あなたの能力をストレートに伝えることを心がけましょう。 最終的には、どのような表現を使うかは文脈によりますが、常に簡潔で分かりやすい表現を優先することが、採用担当者に好印象を与えるための鍵となるでしょう。 「思っております」を使うよりも、より力強く、自信に満ちた表現を選択することで、あなたの可能性を最大限にアピールできるはずです。