かつの連用形は?

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動詞「かつ」の連用形は「かち」です。「かつ」は現代日本語ではあまり使われない古風な表現で、「…するに耐える」「…することができる」という意味を持ちます。

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古語「かつ」を紐解く:その意味と使い方、そして現代に残る名残

現代日本語ではあまり耳にすることのない「かつ」。しかし、古典文学や時代劇に触れる機会があれば、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。「勝つ」や「克つ」とは異なる、この古風な言葉は、一体どんな意味を持ち、どのように使われていたのでしょうか。本記事では、「かつ」の深淵に触れ、その魅力に迫ります。

1. 「かつ」の持つ二つの意味

「かつ」は、大きく分けて二つの意味を持っています。

  • …するに耐える、…に堪える: これは、物理的な強度や精神的な忍耐力を表す際に用いられます。例えば、「この城は幾度の戦にもかつ堅牢であった」のように使われます。現代日本語では、「耐える」「堪える」といった言葉に置き換えられます。

  • …することができる: これは、能力や可能性を表す際に用いられます。「我、この難事を解決する術を知らずといえども、全力を尽くして事にあたるべし。かつ成せば幸い」のように使われます。現代日本語では、「できる」「可能である」といった言葉に対応します。

2. 古典に見る「かつ」の用例

古典文学作品には、「かつ」が多く登場します。いくつか例を見てみましょう。

  • 徒然草:「世に従ひ、人に交はりて、ありのままに、かつはもの憂く、かつはあぢきなく…」(世の中と付き合って、人と交わっていては、あるがままに、時にはもの憂く、時にはつまらなく…)
  • 平家物語:「弓矢をとる身に生まれあわせて、いくさの場にもかつ立ち会はず…」(弓矢を取る身に生まれ合わせて、戦の場にも一度も立ち会わず…)

これらの用例からも、「かつ」が文語的な表現であり、現代ではあまり使われないことが分かります。

3. 「かち」:連用形に見る「かつ」の活用

「かつ」は、古典的な文語で用いられるため、現代語のように活用する動詞ではありません。しかし、古典文法においては「カ行四段活用」の動詞として扱われ、「かち」「かつ」「く」「く」「け」と活用します。特に、連用形である「かち」は、現代でも一部の言葉に残っています。

3.1. 「勝ち」に残る「かち」

「勝つ」を意味する「勝ち」は、「かつ」の連用形「かち」に名詞化の接尾語「い」が付いたものです。つまり、「勝ち」は元々は「勝つこと」を意味していました。

3.2. その他の「かち」を含む言葉

「勝ち」以外にも、「かち」を含む言葉はいくつか存在します。

  • 克ち取る: 困難を乗り越えて目的を達成するという意味です。
  • 打ち克つ: 敵を打ち負かすという意味です。

これらの言葉からも、「かつ」が持つ「…するに耐える」「…することができる」という意味合いを感じ取ることができます。

4. まとめ:「かつ」から現代へ

「かつ」は、現代ではあまり使われない言葉ですが、古典文学や時代劇を通して触れることで、日本語の奥深さを再認識することができます。そして、「勝ち」や「克ち取る」といった言葉に、「かつ」の名残を見つけることで、言葉の歴史と進化を感じることができるでしょう。