日本の漢字は全部で何個ありますか?

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常用漢字は2136字ですが、JIS漢字コードには1万字以上、漢和辞典にも1万字前後収録されています。人名や地名にはこれらの漢字以外も使われるため、漢字を全て覚えるのは大変です。

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日本の漢字は、その総数において明確な定義がなく、実に曖昧な存在です。常用漢字の2136字という数字は広く知られていますが、これはあくまで日常生活で常用される漢字の枠組みであり、日本の漢字全体の数を表すものではありません。 実態は、はるかに複雑で多岐に渡るのです。

常用漢字は、教育や行政、メディアなど、幅広い場面で使用を推奨されている漢字です。しかし、それ以外の漢字も、数多くの場面で利用されています。例えば、人名に使用される漢字は、常用漢字に含まれていないものが数多く存在します。歴史的な地名や固有名詞にも、常用漢字の枠を超えた漢字が頻繁に使われています。これらの漢字は、常用漢字表に掲載されていなくても、日本の文化や社会を理解する上で不可欠な存在なのです。

JIS X 0208(JIS漢字コード)は、コンピュータで扱うための漢字を規定した規格です。この規格には、常用漢字に加え、人名用漢字や地名用漢字、さらに古くから使われてきた漢字なども含まれており、約6000字以上が収録されています。この数字からも、常用漢字が日本の漢字のほんの一部でしかないことがわかります。さらに、JIS X 0213ではさらに多くの漢字が追加され、1万字を超える漢字がコード化されています。

しかし、JIS漢字コードに収録されている漢字ですら、日本の漢字の全体像を完全に網羅しているわけではありません。 漢和辞典に収録されている漢字の数も、辞書によって異なりますが、多くの辞書で1万字前後が収録されています。これらの辞典には、JIS漢字コードには含まれていない、非常に稀少な漢字や、すでに死語となった漢字なども含まれるため、その数は膨大です。

では、日本の漢字の総数は一体いくつなのでしょうか? 明確な答えはありません。 なぜなら、漢字の定義自体が曖昧であり、常用漢字、JIS漢字、漢和辞典収録漢字など、複数の基準が存在するからです。 さらに、新たな漢字が人名などに使用されるケースも存在し、その数は常に変動していると言えるでしょう。

したがって、「日本の漢字は全部で何個ありますか?」という問いに対する回答は、「明確な数は存在しない。常用漢字は2136字だが、JIS漢字コードや漢和辞典には1万字以上が収録されており、実際にはさらに多くの漢字が使用されている」ということになります。 この曖昧さが、日本の漢字の奥深さであり、魅力でもあると言えるでしょう。 日本の漢字を学ぶことは、単に文字を覚えることだけでなく、日本の歴史、文化、社会を深く理解することに繋がる、壮大な旅と言えるのです。 そしてその旅路は、終わりがなく、常に新たな発見に満ちていると言えるのではないでしょうか。 だからこそ、漢字の学習は、長くそして深く続く、魅力的な探求となるのです。