赤ちゃんは何ヶ月からしつけをしたらいいですか？

赤ちゃんへのしつけ、一体いつから始めるのが良いのでしょうか？犬のしつけのように明確な「社会化期」があるわけではありませんが、赤ちゃんの成長段階と発達心理学を踏まえて考える必要があります。

まず、大前提として「しつけ」という言葉の定義を確認しましょう。ここで言うしつけは、体罰や強制的な行動制限ではなく、社会生活を送る上で必要なルールやマナー、そして他人を尊重する心を育むことを指します。

この定義に基づくと、生後すぐの赤ちゃんに「しつけ」を行うことは現実的ではありません。生まれたばかりの赤ちゃんは、空腹を満たしたり、快適な環境で眠ったりすることが最優先です。この時期は、愛情をたっぷりと注ぎ、安心感を与えることが何よりも重要になります。

では、具体的にいつから始めるのが良いのでしょうか？多くの専門家が推奨するのは、自我が芽生え始める1歳半～2歳頃からです。この時期になると、赤ちゃんは自分の意思を持ち始め、言葉も少しずつ理解できるようになります。例えば、「ダメ」という言葉の意味を理解したり、簡単な指示に従えるようになったりします。

しかし、1歳半～2歳頃でも、まだ完全に理解できているわけではありません。感情のコントロールも未熟なので、うまくいかないと癇癪を起こしたり、反抗的な態度をとったりすることもあります。大切なのは、根気強く、丁寧に教えることです。

この時期のしつけのポイントは、以下の通りです。

• 具体的に、分かりやすく教える: 「走らない」ではなく、「歩きましょう」のように、肯定的な言葉で指示を出す。
• 一貫性を持つ: その日によってルールが変わると、赤ちゃんは混乱してしまいます。家族全員で同じルールを共有し、一貫性のある対応を心がける。
• 褒めて伸ばす: うまくできた時には、大げさに褒めてあげましょう。成功体験を積み重ねることで、自信と意欲を育てることができます。
• 遊びを取り入れる: しつけというと堅苦しいイメージがありますが、遊びを通して学ぶこともできます。例えば、絵本を読んだり、歌を歌ったりしながら、生活習慣やマナーを教える。
• 親自身が模範となる: 赤ちゃんは、親の行動をよく見ています。親がルールを守り、他人を尊重する姿を見せることで、自然と良い習慣が身につきます。

また、月齢や発達段階だけでなく、赤ちゃんの個性も考慮する必要があります。活発な子もいれば、慎重な子もいます。それぞれの個性に合わせて、焦らず、ゆっくりと進めていくことが大切です。

最終的に、しつけは「愛情」と「忍耐」のバランスが重要です。ルールを教えるだけでなく、赤ちゃんの気持ちに寄り添い、愛情を込めて接することで、心身ともに健やかに成長することができます。焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて、楽しみながらしつけに取り組んでいきましょう。