ななつ星の製造元はどこですか？

ななつ星in九州：走る工芸品、その製造を支えた職人たち

ななつ星in九州。その名は、九州の七つの県を巡るというコンセプトと、七つの観光素材（自然、食、温泉、歴史文化、パワースポット、人情、列車の旅）を象徴しています。豪華絢爛な内装、洗練されたデザイン、そして極上のサービスで、多くの旅行者を魅了するこの列車。では、一体誰が、どのようにこの夢の列車を造り上げたのでしょうか？

多くの方が、ななつ星in九州の製造元は「JR九州」だと考えているかもしれません。確かに、企画・運営はJR九州が行っていますが、車両の製造は複数の企業が携わっています。特に、注目すべきは最後尾に位置する展望車、7号車です。この車両は、日本の重工業を代表する企業、日立製作所が製造を担当しました。

日立製作所は、鉄道車両製造において長い歴史と高い技術力を誇ります。新幹線をはじめ、数々の名車を世に送り出してきた実績があります。ななつ星の7号車においても、その技術力は遺憾なく発揮されています。大きな窓から九州の雄大なパノラマを堪能できるよう、車体の強度を保ちつつ、可能な限り大きな窓ガラスを採用。さらに、振動を抑える技術も駆使し、乗客が快適に景色を楽しめるよう配慮されています。

しかし、ななつ星の製造は、単に高度な技術だけで成し遂げられたわけではありません。日立製作所の技術者たちは、JR九州のデザイナーや、九州各地の伝統工芸の職人たちと密接に連携を取りながら、開発を進めていきました。例えば、車内の装飾には、博多織や久留米絣といった九州の伝統工芸がふんだんに取り入れられています。これらの工芸品は、単に装飾として存在するだけでなく、九州の文化や歴史を乗客に伝える役割も担っています。技術と伝統の融合、それがななつ星の最大の魅力と言えるでしょう。

7号車の展望スペースには、ソファやバーカウンターが設置され、ゆったりとくつろぎながら流れる景色を堪能できます。大きな窓から差し込む光は、車内を明るく照らし、特別な空間を演出します。夕暮れ時には、燃えるような夕焼けが車窓を染め、幻想的な雰囲気に包まれます。夜には、満天の星空の下、旅情を掻き立てる時間を過ごすことができます。

ななつ星in九州は、単なる移動手段ではなく、まさに「走る工芸品」と呼ぶにふさわしい存在です。その製造には、日立製作所をはじめとする多くの企業、そして数えきれないほどの職人たちの技術と情熱が注ぎ込まれています。彼らが丹精込めて作り上げた車両は、乗客に忘れられない旅の思い出を提供し続けています。

そして、ななつ星の旅は、列車の中だけにとどまりません。各停車駅では、地元の人々による温かいおもてなしが待っています。地元の食材を使った料理や、伝統芸能のパフォーマンスなど、九州の魅力を五感で感じることができます。

ななつ星in九州は、日本のものづくりの粋を集めた、まさに至高の列車と言えるでしょう。その輝きは、これからも多くの人々を魅了し続けるに違いありません。