ガソリンとディーゼルの兼用オイルの表記は?

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ガソリン車とディーゼル車両対応のエンジンオイルは、API規格で「SL/CF」のように、ガソリン車用規格とディーゼル車用規格を併記して表示されます。 これは、両方のエンジンタイプに適合する性能を満たしていることを意味します。 規格のアルファベット順に記載されるのが一般的です。
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ガソリン車とディーゼル車の兼用エンジンオイル:表記と性能の深掘り

近年、自動車の多様化に伴い、ガソリン車とディーゼル車の両方に対応するエンジンオイルが広く普及しています。しかし、その表記や性能について、正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。本稿では、ガソリンとディーゼルの兼用オイルの表記方法、その背景にある技術、そして選ぶ上での注意点について詳しく解説します。

まず、ガソリン車とディーゼル車に対応したエンジンオイルは、API規格において、ガソリン車用規格とディーゼル車用規格を併記することで識別されます。典型的な表記としては「SL/CF」のように、スラッシュで区切られた2つのアルファベットコードが使用されます。この例では、「SL」がガソリン車用、「CF」がディーゼル車用規格を表しており、このオイルは両方のエンジンタイプで使用できることを意味します。

重要なのは、この併記された規格が単なる適合ではなく、両方のエンジンタイプにおける厳しい性能基準をクリアしているということです。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、燃焼方式や生成される排ガスなどに大きな違いがあり、求められるオイルの性能も異なります。ガソリンエンジンでは、主に高温酸化安定性や清浄分散性が重視される一方、ディーゼルエンジンでは、高温での粘度保持や摩耗防止性能が重要になります。

「SL/CF」の例で見てみましょう。「SL」は比較的新しいガソリン車用規格であり、高度な清浄性能や酸化安定性、低摩擦性能などが要求されます。「CF」はディーゼル車用規格であり、「SL」と比較すると、高温での粘度保持や耐摩耗性に重点が置かれています。 兼用オイルは、これらの相反する要求を同時に満たす必要があり、高度な技術が投入されています。そのため、単にガソリン車用オイルとディーゼル車用オイルを混ぜ合わせたものではなく、それぞれのエンジン特性を考慮した独自の配合がなされています。

アルファベット順に記載されるのが一般的であることは、表記の簡潔さと理解の容易さに繋がっています。 例えば、「CF/SL」と表記されることはありません。常にガソリン車用規格が後に来ることはありませんが、一般的にはガソリン車用規格がアルファベット順で後になる傾向があります。これは、あくまで慣習であり、規格の性能の高低を示すものではありません。 重要なのは、それぞれのアルファベットコードが示す性能レベルです。

しかし、API規格はあくまで一つの指標であり、オイルの性能を完全に網羅しているわけではありません。 近年では、自動車メーカー独自の規格も存在し、指定されているオイルを使用することが推奨されるケースもあります。 そのため、オイルを選ぶ際には、必ず車両の取扱説明書を確認し、推奨されている規格や粘度を確認する必要があります。 誤ったオイルを使用すると、エンジンの性能低下や故障につながる可能性があるため、注意が必要です。

さらに、オイルの選択には、運転環境や走行距離なども考慮する必要があります。 高温多湿な環境や頻繁な渋滞路走行など、厳しい条件下では、より高性能なオイルを選択することが望ましいでしょう。 オイル選びは、愛車の寿命と性能を左右する重要な要素であることを、改めて認識しておくべきです。 価格だけで選ぶのではなく、自身の車の状況とAPI規格、そしてメーカー推奨を参考に、最適なオイルを選択することが大切です。