キャッシュカードをスマホの近くに置くとどうなる？

スマホとキャッシュカード：近づけすぎるとどうなる？知っておきたい磁気ストライプの脆弱性

キャッシュレス決済が普及し、スマートフォンを肌身離さず持ち歩くのが当たり前になった現代。財布の中身もスマートに整理したいと考える人は多いでしょう。しかし、ちょっと待ってください。キャッシュカードをスマホと一緒に保管するのは、実は危険な行為かもしれません。

一見すると無関係に見えるスマホとキャッシュカードですが、そこには「磁気」という目に見えない脅威が潜んでいます。キャッシュカードの裏面にある黒い帯、これが磁気ストライプと呼ばれるもので、口座情報や暗証番号などが記録されています。この磁気ストライプは、外部からの磁力に弱く、簡単にデータが破損してしまう可能性があるのです。

スマホは、電波の送受信や内部の電子部品の動作によって、微弱な磁気を発生させています。通常の使用では問題ありませんが、長時間キャッシュカードと密着した状態で放置すると、磁気ストライプに影響を与え、データが書き換えられたり、消去されたりする恐れがあります。

具体的にどんな影響があるのでしょうか？

• ATMでの利用不可: 最も起こりやすいのが、ATMでキャッシュカードが読み取れなくなるというケースです。磁気ストライプの情報が破損してしまうと、ATMがカードを認識できず、入出金や残高照会などの操作ができなくなります。
• カードの再発行: ATMで利用できなくなった場合、銀行窓口でカードの再発行手続きを行う必要があります。再発行には手数料がかかる場合もあり、時間も手間もかかってしまいます。
• スキミング被害のリスク: 磁気ストライプの情報が完全に消去されるわけではなく、一部が残っている場合、悪質なスキマーによって情報を読み取られ、不正利用されるリスクもゼロではありません。

では、どうすれば大切なキャッシュカードを守れるのでしょうか？

• スマホとの接触を避ける: 最も重要なのは、スマホとキャッシュカードを一緒に保管しないことです。財布の中でも別々の場所に保管したり、カードケースに入れたりするなどの対策を取りましょう。
• 磁気防止ケースの利用: 磁気防止機能のあるカードケースや財布を利用することで、外部からの磁力の影響を軽減できます。
• 磁気を発する機器に近づけない: スマホ以外にも、テレビ、パソコン、ゲーム機、スピーカーなど、磁気を発する機器の近くにキャッシュカードを長時間置かないように注意しましょう。
• ICチップ搭載カードへの切り替え: 最近では、磁気ストライプの代わりにICチップが搭載されたキャッシュカードが増えています。ICチップは磁気の影響を受けにくいため、より安全性が高いと言えます。お使いのキャッシュカードがICチップ搭載型でない場合は、銀行に相談して切り替えを検討してみましょう。

キャッシュカードは、私たちの大切な財産を守るための重要なツールです。スマホとの適切な距離感を保ち、日頃から丁寧に扱うことで、予期せぬトラブルを未然に防ぎましょう。キャッシュレス時代だからこそ、現金を引き出すための最後の砦であるキャッシュカードの安全管理を徹底することが、より重要になっていると言えるでしょう。