テザリングは契約なしでも使えますか?

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SIMカードがない端末でも、テザリング機能を使えばインターネットに接続できます。Wi-Fiルーターがなくても、スマホのテザリングでパソコンやタブレットをネットに繋げられます。契約回線を持つスマホが親機となり、データ通信を共有する仕組みです。
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テザリングは契約なしでも使えるか?という問いに対する答えは、残念ながら「基本的に、ノー」です。 多くの誤解を生む要因の一つに、テザリング機能自体が端末に備わっているという点にあります。 SIMカードがない端末であっても、テザリング機能の項目は表示されるかもしれません。しかし、これは機能が搭載されているという意味であって、実際にインターネット接続を共有できるという意味ではありません。

テザリングは、あくまでも既存のモバイルデータ通信契約を介して行われます。 スマホがインターネットに接続されていることを前提として、その接続を他のデバイスと共有する機能なのです。 SIMカードがなければ、スマホ自身もインターネットに接続できません。したがって、テザリング機能は「使えない」状態になります。 表示はされていても、機能は停止している、いわば「幽霊機能」の状態です。 まるでエンジンを搭載した車がガソリンがなければ動かないのと同じです。

では、なぜSIMカードなしの端末にテザリング機能が表示されるのか? それは、製造段階で全ての機能が搭載されており、SIMカードの有無によって機能の有効・無効が制御されているためです。 製造メーカーが全ての機種に同じOSや機能を組み込むことで、生産コストを抑えることができます。 SIMカードがない状態でもテザリングの設定画面が表示されるのは、この効率化の結果と言えるでしょう。 しかし、設定画面を開いても、接続を試みても、インターネットへの接続は一切できません。 エラーメッセージが表示されるか、もしくは全く反応がないという状態になるでしょう。

まれに、特殊な状況下で「契約なし」でテザリングが「使えるように見える」ケースもあるかもしれません。 例えば、一時的に利用できる無料Wi-Fiスポットに接続しているスマホをテザリング親機として利用するケースです。 しかし、この場合も、テザリングは「スマホが契約している(あるいは無料提供を受けている)インターネット接続」を共有しているに過ぎません。 スマホ自身にモバイルデータ通信契約がない限り、この方法は一時的な繋ぎとしてしか機能しません。 そして、無料Wi-Fiの利用制限や速度制限といった制約を受けることは避けられません。

結論として、テザリングはモバイルデータ通信契約を前提とした機能です。 SIMカードがない、あるいはモバイルデータ通信契約のない状態では、テザリング機能は事実上利用できません。 テザリング機能は、インターネット接続を「共有する」機能であって、「生成する」機能ではないことを理解することが重要です。 インターネット接続を共有するには、まず何らかの方法でインターネットに接続する必要があります。 その手段として、一般的にはモバイルデータ通信契約が利用されます。 そのため、テザリングを利用するには、必ずモバイルデータ通信契約を締結する必要があることを再確認しておきましょう。