ドローンを100g以上飛ばすには免許は必要ですか？

100g以上のドローン、免許は不要？免許「相当」の知識と、それ以上の責任が求められる時代へ

ドローン、空を自由に飛び回る姿に憧れる人も多いのではないでしょうか。しかし、その手軽さの裏には、安全を確保するためのルールと責任が伴います。巷では「ドローンを飛ばすには免許が必要」という情報が飛び交っていますが、厳密には少し違います。

現在、日本国内において、ドローンを飛行させるために「免許」は必須ではありません。しかし、100g以上のドローン（特定航空機）を飛行させる場合、機体の登録が義務付けられています。 これは、国土交通省がドローンの安全な飛行を管理するために導入した制度です。機体登録を行うことで、ドローンの所有者情報が把握できるようになり、万が一事故が発生した場合の責任追及や、安全対策の徹底に繋がります。

さらに重要なのが、飛行場所によって国土交通省の許可や承認が必要になる場合があるという点です。例えば、人口集中地区（DID地区）、空港周辺、150m以上の高さの空域、夜間、目視外飛行などは、安全上のリスクが高いため、原則として許可や承認が必要となります。これらの飛行ルールを守らずにドローンを飛行させた場合、航空法違反となり、罰金や懲役などの罰則が科せられる可能性があります。

ここで、誤解を招かないように強調しておきたいのは、「免許は不要」だからといって、何の知識もなしにドローンを飛ばして良いわけではないということです。ドローンは、一歩間違えれば重大な事故を引き起こしかねない、空飛ぶ凶器にもなりえます。

そこで注目されているのが、2022年12月から開始されたドローンの操縦ライセンス制度（無人航空機操縦者技能証明）です。これは、国が認定する講習機関で一定の知識や技能を習得し、試験に合格することで取得できる国家資格です。このライセンスを取得することで、特定の条件下での飛行許可・承認申請が簡略化されたり、将来的に義務化される可能性のある操縦者資格に備えることができます。

つまり、現時点では「免許は不要」ですが、安全にドローンを飛行させるためには、法規制や機体の操作に関する十分な知識と技能を身につけることが不可欠なのです。国が認定する講習機関で体系的に学ぶことは、安全な飛行を実現するための有効な手段と言えるでしょう。

さらに、ドローンを飛行させる際には、第三者への賠償責任保険への加入も検討するべきです。万が一、ドローンの飛行によって他人に損害を与えてしまった場合、高額な賠償金を請求される可能性があります。保険に加入しておくことで、そのようなリスクに備えることができます。

ドローンの世界は、技術の進化とともに、法規制も変化し続けています。常に最新の情報を収集し、安全意識を高く持ってドローンを飛行させることが、ドローンを楽しむための大前提です。

「免許は不要」という言葉に安易に飛びつくのではなく、「免許相当」の知識と責任を自覚し、安全なドローンライフを送りましょう。