モデムとルーターを再起動する順番は？

ネットワーク機器再起動の鉄則：モデム・ルーター順番の真実とトラブルシューティング

インターネット接続が不安定になった時、まず最初に試すのが「再起動」という方は多いでしょう。しかし、闇雲に再起動するだけでは効果がないばかりか、かえって状況を悪化させてしまう可能性も。特に、モデムとルーターが別々になっている環境では、再起動の順番が重要になります。なぜなら、この順番こそが、安定したインターネット環境を取り戻すための重要な鍵を握っているからです。

なぜモデムが先で、ルーターが後なのか？

想像してみてください。インターネットは、道路網のようなものです。モデムは、インターネットという巨大な道路網への入り口、つまり「玄関口」です。一方、ルーターは、家の中の各部屋（パソコン、スマートフォン、ゲーム機など）に情報を振り分ける役割を担う、「交通整理係」です。

もし、玄関口であるモデムが正常に動作していない状態で、交通整理係のルーターだけを再起動しても、情報が行き先を見つけられず、混乱が生じてしまいます。つまり、まず玄関口であるモデムを再起動し、インターネットへの接続を確立してから、ルーターを再起動することで、スムーズな情報伝達が可能になるのです。

具体的には、以下の手順で再起動を行いましょう。

1. モデムの電源をオフにする: モデムの電源ケーブルをコンセントから抜き、完全に電源を切ります。少なくとも30秒ほど待ちましょう。この間に、モデム内部に残っている不要なデータをクリアします。

2. ルーターの電源をオフにする: 同様に、ルーターの電源ケーブルをコンセントから抜き、完全に電源を切ります。こちらも30秒ほど待ちましょう。

3. モデムの電源をオンにする: モデムの電源ケーブルをコンセントに差し込み、電源を入れます。モデムのランプが安定するまで、数分待ちます。ランプの状態は機種によって異なりますが、一般的には「Online」や「Internet」といったランプが点灯、または点滅から点灯に変わることで、インターネットへの接続が確立されたことを示します。

4. ルーターの電源をオンにする: モデムのランプが安定したら、ルーターの電源ケーブルをコンセントに差し込み、電源を入れます。ルーターのランプが安定するまで、数分待ちます。こちらも、機種によってランプの状態は異なりますが、無線LAN（Wi-Fi）のランプなどが点灯することで、無線LANが利用可能になったことを示します。

それでも改善しない場合は？ トラブルシューティングのヒント

上記の順番で再起動しても、インターネット接続が改善しない場合は、以下の点を確認してみましょう。

• ケーブルの接続状況: モデムとルーター、ルーターと各デバイスを結ぶLANケーブルがしっかりと接続されているか確認してください。ケーブルが抜けていたり、緩んでいたりすると、正常な通信が行えません。

• プロバイダの障害情報: インターネットプロバイダ（ISP）のウェブサイトやサポートセンターで、障害情報が公開されていないか確認してください。プロバイダ側の問題であれば、復旧を待つしかありません。

• デバイス側の設定: パソコンやスマートフォンのWi-Fi設定が正しく設定されているか確認してください。誤ったパスワードを入力していたり、Wi-Fiが無効になっていたりすると、インターネットに接続できません。

• モデム・ルーターのファームウェアアップデート: モデムやルーターのファームウェア（本体を制御するソフトウェア）が古い場合、不具合が発生することがあります。メーカーのウェブサイトから最新のファームウェアをダウンロードし、アップデートを試してみてください。

• 専門家への相談: 上記の方法を試しても改善しない場合は、インターネットプロバイダやメーカーのサポートセンターに相談することをおすすめします。専門家の指示に従い、問題を解決しましょう。

インターネット接続は、私たちの生活に欠かせないインフラとなりました。再起動の順番を正しく理解し、トラブルシューティングの知識を身につけることで、より快適なインターネットライフを送ることができるでしょう。