ルーターを再起動ボタンを押すとどうなる？

ルーターの再起動ボタン、知っておくべきこと：魔法の呪文か最終手段か？

ルーターの背面、もしくは側面にひっそりと佇む「再起動」ボタン。その存在は知っていても、実際に押したことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。日々のインターネット生活を支えるルーターですが、調子が悪くなった際に、このボタンは文字通り「再起動」という魔法をかけてくれるのでしょうか？それとも、最終手段として奥の手なのでしょうか？

実は、「再起動」ボタンは、ルーターの状態によってその効果が大きく異なる、なかなか奥深い存在なのです。

1. まずは冷静に：再起動ボタンの種類を見極める

ルーターには、大きく分けて２種類の「再起動」ボタンが存在します。

• リセットボタン（初期化ボタン）： 先ほど説明されている通り、このボタンは長押しすることでルーターを工場出荷時の状態に戻します。つまり、今まで設定してきた全ての情報（SSID、パスワード、ポート開放設定など）が消去されます。トラブルシューティングとしては強力ですが、設定し直しが必要になるため、最終手段と考えるべきでしょう。見分ける方法としては、ボタンが奥まっていて、クリップなど細いもので押す必要がある場合が多いです。

• 電源ボタン（単純な再起動ボタン）： 電源を入れ直すだけのボタンで、通常は短く押すだけで機能します。こちらは、一時的な不具合を解消するための、より穏やかな解決策です。

2. いざという時のために：再起動ボタンを押す前に確認すべきこと

リセットボタンを押す前に、以下の点を確認しましょう。

• 本当に他に方法はないか？： まずはルーターの電源ケーブルを抜き差ししてみましょう。これだけでも意外と多くの問題が解決します。
• 設定情報はバックアップ済みか？： 近年のルーターには、設定情報をバックアップする機能が搭載されている場合があります。取扱説明書を確認し、可能であればバックアップを取りましょう。
• ISP（インターネットサービスプロバイダ）の情報は手元にあるか？： PPPoE接続など、ISPから提供されたIDやパスワードが必要な場合は、事前に確認しておきましょう。

3. 再起動ボタンを押した後の世界：待ち受ける試練と再構築

リセットボタンを押してしまった場合、ルーターは初期状態に戻ります。つまり、購入時と同じように、最初から設定を行う必要があります。

• ルーターにアクセスする： PCやスマートフォンをWi-Fiもしくは有線LANでルーターに接続し、ブラウザからルーターの設定画面にアクセスします。アドレスは通常、192.168.1.1や192.168.0.1などですが、ルーターの取扱説明書に記載されているはずです。
• ISP情報を入力する： PPPoE接続の場合、ISPから提供されたIDとパスワードを入力します。
• SSIDとパスワードを設定する： Wi-Fiの名前（SSID）とパスワードを設定します。第三者に勝手に利用されないよう、強固なパスワードを設定しましょう。
• 必要に応じてその他の設定を行う： ポート開放、ペアレンタルコントロールなど、必要に応じてその他の設定を行います。

4. まとめ：再起動ボタンは慎重に、知識と準備を持って

ルーターの再起動ボタンは、状況によっては非常に有効なトラブルシューティング手段となります。しかし、特にリセットボタンを押す場合は、事前の準備と知識が必要です。まずは冷静に状況を判断し、他の方法を試してから、最終手段として再起動ボタンを活用しましょう。

そして、何よりも大切なのは、取扱説明書をよく読んで、自分のルーターの機能を正しく理解することです。そうすれば、いざという時にも慌てずに対処できるはずです。