新幹線の電源供給はどこからですか?

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新幹線は、走行に必要な動力や、照明・コンセントなどの車内サービスで使用する電力を、線路上に張られた架線から得ています。架線には、技術的な理由から電気が供給されない「切れ目」が存在します。交流電化方式を採用している新幹線では、隣接する変電所からの電気を混ぜて使用することができないためです。

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新幹線の電力供給:知られざる秘密と技術の粋

新幹線は、日本の大動脈として、その高速性と快適性で多くの人々を魅了しています。しかし、その動力源である電力供給について、私たちは意外と知らないことが多いのではないでしょうか。この記事では、新幹線の電力供給の仕組みを掘り下げ、その裏に隠された技術と工夫に迫ります。

新幹線は、一般的に電化された鉄道路線と同様に、架線から電気を得ています。しかし、その電圧は非常に高く、交流25,000ボルト、または直流1,500ボルトという高圧電気が使用されています。これは、長距離を高速で走行するために、より多くの電力を効率的に供給する必要があるためです。

では、その電力はどこから供給されているのでしょうか?答えは、新幹線沿線に設置された変電所です。これらの変電所は、電力会社から供給された高圧電力を、新幹線の架線に適切な電圧に変換して供給する役割を担っています。

しかし、新幹線の電力供給には、いくつかの興味深い技術的課題が存在します。その一つが、架線に存在する「デッドセクション」と呼ばれる無電区間の存在です。これは、主に異なる電力系統の境界や、変電所の切り替え地点に設けられています。

なぜこのような無電区間が必要なのでしょうか?それは、交流電化方式の場合、隣接する変電所からの電気を単純に混ぜ合わせることができないためです。それぞれの変電所から供給される電力の位相が異なる場合があり、それをそのまま繋げてしまうと、短絡事故を引き起こす可能性があるのです。

そこで、新幹線はデッドセクションを通過する際、惰性で走行し、車内の電気系統は一時的にバッテリーに切り替わります。この切り替えは自動的に行われ、乗客はほとんど気づくことはありません。しかし、このスムーズな切り替えを実現するためには、高度な制御技術が必要となります。

さらに、新幹線は、トンネル区間や勾配区間など、電力消費が大きく変動する区間を走行することがあります。これらの区間では、変電所は瞬時に電力を増減させる必要があり、高度な応答性が求められます。

また、近年では、地球温暖化対策の一環として、新幹線の電力供給においても、再生可能エネルギーの導入が検討されています。太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを利用することで、新幹線の環境負荷を低減することが期待されています。

このように、新幹線の電力供給は、単に電気を供給するだけでなく、様々な技術的課題を克服し、安全かつ安定した運行を支えるための、高度な技術の結晶と言えるでしょう。次回、新幹線に乗る際には、ぜひその電力供給の仕組みに思いを馳せてみてください。きっと、新幹線の魅力がさらに深まるはずです。