機内モード中にWi-Fiを使うとどうなる？

機内モード、その名のとおり航空機内で使用するよう推奨されるモードですが、実際にはどのような状態になっているのでしょうか？そして、機内モード中にWi-Fiを使用することは可能なのでしょうか？その是非や、可能だとすればどのような影響があるのかを詳しく解説していきます。

まず、機内モードの本来の目的は、携帯電話やスマートデバイスからの電波の発信を停止することです。これは、航空機の航行システムへの電波干渉を防ぐため、そして安全な飛行を確保するために非常に重要です。携帯電話からの電波が、航空機の計器などに影響を与え、最悪の場合、事故につながる可能性もゼロではありません。そのため、離着陸時だけでなく、飛行中も機内モードの利用が強く推奨されています。

多くのデバイスでは、機内モードをオンにすると、同時にモバイルデータ通信（4G/5Gなど）、Wi-Fi、Bluetoothなどの無線通信機能が自動的にオフになります。これは、これらの機能全てが電波を発信するため、まとめて無効化することで、航空機の安全性を確保するための万全を期していると言えるでしょう。

しかし、Androidスマートフォンなど一部の機種では、機内モードをオンにした状態でも、Wi-FiやBluetoothを個別に有効にすることができる設定が存在します。これは、機内モードが「携帯電話からの電波発信を止める」ことを主眼としているためです。Wi-Fiは、スマートフォンが電波を発信するのではなく、アクセスポイントからの電波を受信する役割が主となるため、航空機のシステムへの影響は限定的と考えられているためです。Bluetoothも同様です。

では、機内モード中にWi-Fiをオンにした場合、どのようなことが起こるのでしょうか？

まず、明確にしておきたいのは、機内Wi-Fiが提供されている場合を除き、インターネットへのアクセスはできません。機内Wi-Fiは、航空会社が専用のネットワークを提供しているものであり、機内モードとは関係なく、安全に利用できるよう設計されています。機内モードをオンにした状態でも、機内Wi-Fiに接続することは可能です。ただし、これは航空会社が提供するサービスであり、利用には料金が発生する場合があります。

一方、機内Wi-Fiが提供されていない状況で、機内モードをオンにしたまま、個別にWi-Fiを有効にしても、インターネットへの接続はできません。これは、地上のアクセスポイントに接続できないためです。しかし、例えば、事前にダウンロードしたコンテンツを再生したり、既に接続済みのスマートウォッチやBluetoothイヤホンと通信したりすることは可能です。

ただし、重要な注意点として、機内モードをオンにしたとしても、完全に電波を発信しないとは限りません。一部のアプリや機能は、バックグラウンドで位置情報サービスを利用したり、データを送受信したりする場合があります。そのため、完全に電波発信を遮断したい場合は、Wi-FiとBluetoothだけでなく、位置情報サービスなどもオフにすることを推奨します。

結論として、機内モード中はWi-Fiを使用できる場合もありますが、それはあくまで航空会社が提供する機内Wi-Fiに限られます。個別のWi-Fiを有効にしても、地上ネットワークへの接続はできません。 機内モードの真の目的を理解し、安全な飛行を確保するためにも、航空会社の指示に従い、適切な設定を行うことが重要です。 不明な点があれば、乗務員に確認することをお勧めします。 安全な空の旅を楽しみましょう。