水に濡れたスマホは普通に使える？

水に濡れたスマホは普通に使える？：慌てないための対処法と注意点

近年、防水性能を謳うスマートフォンが増え、うっかり水に濡らしてしまった、あるいは雨に降られてしまったという経験を持つ方も少なくないでしょう。しかし、「防水」と「水没しても大丈夫」は全くの別物。この記事では、水に濡れたスマホをその後も問題なく使い続けるための対処法と、知っておくべき注意点を詳しく解説します。

まず、スマホの防水性能は、国際電気標準会議（IEC）が定めるIPX規格で表されます。例えば「IPX8」であれば、一定の水深、一定の時間、水没しても内部に浸水しないという性能が保証されています。しかし、この規格は真水での試験に基づいており、海水やジュース、石鹸水など、真水以外の液体への耐性は保証されていません。また、高温多湿の環境や経年劣化によって防水性能が低下することもあります。つまり、IPX規格の高いスマホであっても、過信は禁物なのです。

では、実際にスマホを水に濡らしてしまった場合、どのような対処をすべきでしょうか？

1. 電源を切る：これが最も重要です。通電したままの状態だと、ショートして内部が損傷する可能性があります。慌てずに、すぐに電源を切りましょう。

2. 水分を拭き取る：柔らかい布で、本体や充電ポート、イヤホンジャックなど、目に見える水分を丁寧に拭き取ります。綿棒を使うと細かい部分の水分も吸収できます。この時、エアダスターやドライヤーで内部を乾かそうとするのは厳禁です。内部に水分を押し込んでしまったり、熱で部品を損傷させる恐れがあります。

3. 自然乾燥させる：風通しの良い日陰で、数日間かけて自然乾燥させます。乾燥剤と一緒にジップロックに入れておくのも効果的です。シリカゲルなどの乾燥剤は、水分を吸収するのに役立ちます。

4. 動作確認：完全に乾燥したら、電源を入れて動作を確認します。問題なく起動し、タッチ操作や通話、カメラ機能などに異常がなければ、そのまま使用できる可能性が高いです。しかし、少しでも異変を感じたら、すぐに使用を中止し、専門業者に相談しましょう。

たとえ一見問題なく動作しているように見えても、内部に水分が残っている場合は、後々腐食や故障を引き起こす可能性があります。特に、バッテリーの膨張や発熱、画面の変色、音割れなどの症状が見られる場合は、内部に損傷が生じている可能性が高いので、使用を続けずに専門業者に修理を依頼しましょう。

大切なデータを守るためにも、日頃からバックアップを取っておくことをおすすめします。また、防水ケースを使用したり、水辺での使用を控えるなど、水濡れのリスクを最小限に抑える工夫も大切です。

水濡れはスマホにとって大きなダメージとなる可能性があります。正しい対処法を知り、迅速かつ適切な対応をすることで、大切なスマホを守りましょう。過信せず、慎重な行動を心がけることが、長く快適にスマホを使うための鍵となります。