自動改札機には何枚まで通せますか？

自動改札機、本当に３枚まで？意外と知らない切符の限界と注意点

自動改札機、通勤・通学で毎日利用する方も多いと思いますが、切符を何枚まで重ねて通せるか、考えたことはありますか？ 一般的には「３枚まで」と言われていますよね。確かに、多くの駅では３枚程度であれば問題なく通過できることが多いでしょう。しかし、その認識だけでいると、思わぬ落とし穴があるかもしれません。

なぜ「３枚」という数字が広まっているのか？

自動改札機の構造を少し考えてみましょう。内部には、切符を読み取るセンサーと、切符を搬送するローラーが組み込まれています。複数の切符を重ねて投入した場合、センサーは一番上の切符から順番に情報を読み取ろうとします。ローラーは、複数の切符を均一な速度で搬送する必要があります。

３枚程度であれば、センサーが各切符の情報を比較的正確に読み取ることができ、ローラーも滑らずに搬送できる可能性が高い、というのが「３枚まで」と言われる理由の一つでしょう。

しかし、現実はそう単純ではありません。

• 切符の種類と厚み： 近年、磁気ストライプの切符だけでなく、QRコードやICカードといった様々な種類の切符が登場しています。磁気切符でも、種類によって厚みが異なり、券売機で購入した切符と、企画乗車券のような厚手の切符では、まとめて通せる枚数に差が出る場合があります。厚手の切符が３枚重なると、センサーが読み取りにくくなるだけでなく、ローラーが滑ってしまう可能性も高くなります。

• 改札機の種類： 冒頭にも触れられていますが、駅に設置されている改札機は一種類ではありません。特に、地方の無人駅や、簡易型の改札機では、一度に１枚しか通せないものが多く存在します。これらの改札機に複数の切符を投入すると、詰まってしまう可能性が非常に高くなります。

• 切符の状態： 切符が折れていたり、汚れていたりすると、センサーが正常に情報を読み取ることができません。特に、複数の切符を重ねて投入した場合、わずかな汚れや折れが読み取りエラーを引き起こしやすくなります。

• 磁気不良： 磁気切符の場合、磁気不良を起こしていると、当然ながら改札機を通過できません。複数の切符の中に磁気不良の切符が混ざっていると、他の正常な切符も一緒にエラーとなってしまうことがあります。

では、どうすれば良いのか？

最も確実な方法は、切符を１枚ずつ通すことです。多少手間はかかりますが、エラーによる時間のロスや、改札機を詰まらせてしまうリスクを回避できます。

どうしても複数枚の切符を同時に通したい場合は、以下の点に注意しましょう。

• 薄くて状態の良い切符を選ぶ。
• 一番上に通す切符が、最も状態の良いものを選ぶ。
• エラーが出たら、無理に通そうとせず、駅員に声をかける。

自動改札機は、私たちの生活を便利にするためのものですが、使い方を間違えると、逆に不便になってしまうこともあります。切符の種類や状態、改札機の種類などを考慮し、状況に合わせて適切に利用することが大切です。特に、急いでいる時ほど、焦らずに確実に切符を通すことを心がけましょう。