警察に携帯の位置情報を取られるの？

警察に携帯の位置情報を取られる？ 知っておくべきこと、プライバシーを守るためにできること

2015年の総務省ガイドライン改正以降、警察が携帯電話の位置情報を取得する際に、所有者への通知義務が撤廃されたことをご存知でしょうか？以前は、GPSを利用した位置情報取得時にはスマートフォンに通知が表示される仕組みでしたが、現在はこれが廃止され、知らず知らずのうちに位置情報が取得されている可能性があるのです。この変更は、私たちのプライバシーにどのような影響を与えるのでしょうか？

警察による位置情報取得、その法的根拠と範囲

警察が個人の位置情報を取得するには、原則として「令状」が必要です。これは、裁判所が犯罪捜査のために必要と認めた場合に発行されるもので、法律で定められた手続きに基づいています。しかし、緊急を要する場合や、行方不明者の捜索など、人命に関わる事態においては、令状なしで位置情報が取得されることもあります。

位置情報の取得範囲も、事件の種類や状況によって異なります。例えば、殺人や誘拐といった重大犯罪の場合には、広範囲にわたる位置情報が取得される可能性があります。一方、軽微な事件の場合には、より限定的な範囲での取得となるでしょう。

プライバシー保護の現状と課題

通知義務の撤廃は、プライバシー保護の観点から大きな課題を残しています。以前は、通知によって位置情報取得の事実を知ることができましたが、現在では、自分が捜査対象になっているのかどうかさえ、知る術がないのです。

位置情報データは、個人の行動履歴や生活パターンを詳細に記録するものであり、悪用されればプライバシー侵害のリスクは計り知れません。例えば、個人の趣味嗜好や交友関係、自宅や勤務先の場所などが特定され、ストーカー行為や詐欺などの犯罪に利用される可能性も考えられます。

私たちができること、プライバシーを守るために

このような状況下で、私たちはどのように自分のプライバシーを守ることができるのでしょうか？

1. 位置情報サービスの設定を見直す: スマートフォンやアプリの位置情報サービス設定を確認し、必要最小限に制限しましょう。特に、常に位置情報を共有する設定は、プライバシー侵害のリスクを高めます。

2. 不要なアプリは削除する: 位置情報へのアクセス権限を持つアプリの中には、本当に必要なものとそうでないものが含まれているかもしれません。使用頻度の低いアプリや、信頼性の低いアプリは削除することを検討しましょう。

3. OSやアプリのセキュリティアップデートを怠らない: OSやアプリのセキュリティホールは、悪意のある第三者による不正アクセスを招く可能性があります。常に最新の状態に保つようにしましょう。

4. プライバシー保護に関する知識を深める: インターネットや書籍などを通じて、プライバシー保護に関する知識を深めることも重要です。どのような情報が危険なのか、どのような対策を講じるべきなのかを理解することで、より効果的にプライバシーを守ることができます。

5. 不審な動きに注意する: 身に覚えのないメッセージや、不審な人物からの接触など、何かおかしいと感じた場合は、警察や弁護士に相談することも検討しましょう。

最後に：プライバシー意識の向上を

今回のガイドライン改正は、私たち一人ひとりがプライバシー保護に対する意識を高めるきっかけとなるはずです。警察の捜査活動は、安全な社会を維持するために必要不可欠なものですが、同時に、個人のプライバシーも尊重されるべきです。バランスの取れた社会を実現するために、私たち自身が積極的にプライバシー保護に取り組むことが求められています。

この情報が、あなたのプライバシー保護の一助となれば幸いです。