高所作業車の作業半径は40mですか?

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40mは高所作業車の到達地上高であり、作業半径ではありません。 実際は、地上高10~21mの範囲で最大19mの作業半径を確保しています。 地上高と作業半径は異なる指標であり、注意が必要です。

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高所作業車の40mは届く距離? 作業半径と地上高の違いを理解しよう

高所作業車を使う際、「40m級の高所作業車」という表現を耳にすることがあります。この「40m」という数字、一体何を表しているのでしょうか?多くの人が誤解しているように、これは作業半径ではなく、到達可能な地上高を表しています。つまり、作業台を地面から最大40mの高さまで上昇させることができるという意味です。では、実際に作業できる範囲、つまり作業半径はどれくらいなのでしょうか?

実は、作業半径は地上高、ブームの形状、作業床の積載荷重、風速など様々な要因によって変化します。一般的に、地上高が高くなればなるほど、アウトリガー(安定脚)の張り出し範囲を広げる必要があり、同時にブームの伸長にも限界があるため、作業半径は小さくなります。例えば、地上高10m程度であれば作業半径は最大19m程度確保できる機種もありますが、地上高40mともなると、作業半径は機種によっては数メートル程度にまで縮小する場合もあります。

40mという地上高は、ビルの屋上や高架橋の点検・補修、鉄塔の建設など、非常に高い場所で作業を行う際に必要となります。しかし、作業半径が小さければ、作業範囲が限られてしまうため、効率的な作業が難しくなります。そのため、高所作業車を選ぶ際には、地上高だけでなく、目的の作業を行うために必要な作業半径をしっかりと確認することが重要です

メーカーのカタログやウェブサイトには、各機種の地上高と作業半径の関係を示す作業範囲図が掲載されています。この図は、アウトリガーの張り出し範囲やブームの可動範囲を視覚的に理解するのに役立ちます。作業範囲図を参考に、作業場所の状況や必要な作業範囲を考慮して、適切な機種を選択しましょう。

さらに、作業半径は積載荷重によっても影響を受けます。作業床に重い機材や資材を載せると、ブームの伸長が制限され、作業半径が小さくなる可能性があります。そのため、作業に必要な機材や資材の重量も考慮して機種を選ぶ必要があります。

また、風速も作業半径に影響を与える重要な要素です。強風時はブームの安定性が低下するため、安全確保のために作業半径を制限する必要があります。作業当日の天候にも注意を払い、安全に作業できる範囲内で作業を行うようにしましょう。

最後に、高所作業車の操作には専門的な知識と技能が必要です。資格を持たない人が操作することは法律で禁止されています。安全な作業を行うためには、必ず資格を持ったオペレーターに操作を依頼しましょう。

高所作業車を選ぶ際には、「40m」という数字だけで判断せず、地上高と作業半径の違いを理解し、作業内容や現場の状況に合わせて最適な機種を選択することが大切です。事前の綿密な計画と適切な機種選定が、安全で効率的な高所作業を実現するための鍵となります。 安易に数字だけを見て判断せず、専門業者に相談するなど、安全第一で作業を進めるように心がけましょう。