ELとDLは廃止されるの?

3 ビュー

2024 年秋をもって、JR 東日本高崎支社の「のってたのしい列車」に使用されている電気機関車 (EL) とディーゼル機関車 (DL) 計 5 機が旅客列車としての運行を終了します。これらの車両は、「SL ぐんま よこかわ」、「SL みなかみ」、「SL レトロ碓氷」、「12 系客車 なつかしの客車列車」、「びゅうコースター風っ子」で活躍していました。

コメント 0 好き

EL・DLは本当に廃止されるのか? ~JR東日本高崎支社の「のってたのしい列車」の未来を読み解く~

2024年秋、JR東日本高崎支社の「のってたのしい列車」で使用されている電気機関車(EL)とディーゼル機関車(DL)計5機が旅客列車としての運行を終了するという発表がありました。長年、SL列車を補佐し、様々なイベント列車を牽引してきたEL・DLの引退は、鉄道ファンにとっては一抹の寂しさを覚えるニュースです。しかし、これは本当にEL・DLという機関車そのものが「廃止」されることを意味するのでしょうか? 発表内容を精査し、今後の展望を考察してみましょう。

まず、重要なのは「旅客列車としての運行を終了」という文言です。これは、これらの機関車が完全にスクラップになるというわけではない可能性を示唆しています。例えば、イベント時における構内入れ替え作業や、何らかの形で保存されるといった選択肢も考えられます。

高崎支社のEL・DLは、「SL ぐんま よこかわ」、「SL みなかみ」といったSL列車のバックアップという役割を担ってきました。SLが故障した場合や、勾配区間での牽引力補助など、SL列車運行には欠かせない存在でした。今回の引退は、これらの役割を別の機関車、あるいは他の方法で代替することを意味します。

考えられる代替案としては、以下のものが挙げられます。

  • 新型機関車の導入: 電気式ディーゼル機関車(DD200形など)は、SL列車のバックアップやイベント列車の牽引に十分な性能を備えています。高崎支社にDD200形が導入されれば、EL・DLの役割を代替できる可能性があります。
  • SL自体の性能向上: SLのメンテナンス技術向上や、勾配対策を施すことで、EL・DLの補助なしでも安定した運行が可能になるかもしれません。
  • 運転区間の見直し: EL・DLが必要となる急勾配区間を避け、平坦な区間での運行に限定することで、SL単独での運行を可能にするという選択肢も考えられます。

今回の発表は、あくまで「旅客列車としての運行終了」であり、EL・DLそのものが完全に廃止されるとは断言できません。しかし、高崎支社の「のってたのしい列車」の運行形態が大きく変化することは間違いありません。

SL列車を存続させるためには、EL・DLの代替手段の確立が不可欠です。新型機関車の導入、SLの性能向上、運転区間の見直しなど、様々な可能性を検討し、SL列車の魅力を損なうことなく、安全で安定した運行を継続していくことが求められます。

EL・DLの引退は、一つの時代の終わりを告げる出来事ではありますが、同時に、新しい時代の幕開けを告げるものでもあります。今後の高崎支社の取り組みに注目し、SL列車と、それを支える鉄道技術の進化を見守っていきましょう。