ESIMを再発行したら、旧SIMは使えなくなりますか？

eSIMの再発行と旧SIMカードの無効化について、誤解されている点がいくつかありますので、詳しく解説します。結論から言うと、eSIMを再発行したからといって、必ずしも旧SIMカードが即座に使えなくなるわけではありません。しかし、実質的に使用できなくなることは事実であり、その理由と具体的な状況を以下に説明します。

まず、eSIMとは、物理的なSIMカードではなく、携帯電話の内部に組み込まれた電子的なSIMカードです。eSIMを「再発行」するということは、新しいeSIMプロファイルが携帯電話に書き込まれることを意味します。この新しいプロファイルには、電話番号、APN設定などの接続に必要な情報が含まれています。再発行の理由は、電話番号の変更、プランの変更、紛失・盗難による再発行など様々です。

eSIMプロファイルの再発行は、新しいプロファイルをダウンロードし、アクティベーション（開通）することで完了します。このアクティベーション完了後、新しいeSIMプロファイルが有効になり、携帯電話はこれを使用して通信を行うようになります。しかし、重要なのは、旧eSIMプロファイルが自動的に無効化されないということです。

携帯電話会社によっては、セキュリティ上の理由から、旧eSIMプロファイルが無効化されるケースもありますが、これは必ずしもすべての事業者で行われているわけではありません。多くの場合、旧eSIMプロファイルは携帯電話に残ったままの状態となります。つまり、技術的には、旧eSIMプロファイルを用いて通信を試みることは可能です。

しかし、実際には旧SIM（eSIMプロファイル）を使用することは非常に困難です。理由は以下の通りです。

• 新しいeSIMプロファイルが優先される: 携帯電話は、有効なeSIMプロファイルの中で、最も優先順位の高いプロファイルを選択します。再発行された新しいプロファイルは、通常、旧プロファイルよりも優先順位が高く設定されるため、旧プロファイルを使って通信することはできません。
• 通信事業者による制限: 通信事業者によっては、セキュリティ上の理由から、再発行されたeSIMプロファイル以外による接続をブロックする設定を行っている場合があります。
• プランの変更などによる制限: プラン変更に伴うeSIM再発行の場合、旧プランに紐づいた旧eSIMプロファイルは、新しいプランでは利用できなくなります。たとえ接続できたとしても、通信はできません。

つまり、eSIM再発行後は、旧eSIMプロファイルは「実質的に利用不可能」となるのです。通信を試みても接続できない、または接続できてもサービスを利用できない状況になることがほとんどです。完全に無効化されているわけではないものの、旧プロファイルに依存する状況は回避すべきです。

最後に、再発行手続き完了後、旧eSIMプロファイルを用いて通信を試みる前に、必ず携帯電話会社に確認することをお勧めします。万が一、旧プロファイルがアクティブな状態のまま残っている場合、セキュリティリスクや二重課金などの問題が発生する可能性があります。また、再発行手続きに関するメールやSMSをよく確認し、手順に沿って正しく新しいeSIMプロファイルを開通させることが重要です。 安易な試行錯誤は避け、不明な点はすぐに携帯電話会社に問い合わせましょう。