JATEとTELECの違いは何ですか?

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JATEは電波法に基づく無線機器の認証、TELECは電気通信事業法に基づく電気通信機器の認証です。携帯電話やPHSなどは両方の認証が必要です。TELECは旧称「財団法人電気通信技術審議会」で、平成10年に現在の名称に変更されました。
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JATEとTELEC:似て非なる日本の認証制度

日本市場へ無線機器や電気通信機器を投入するには、複雑な認証制度を理解することが不可欠です。中でもJATEとTELECは、混同されやすい代表的な認証制度と言えるでしょう。一見するとどちらも無線通信に関わる認証のように見えますが、実はその目的や根拠となる法律、対象機器が異なります。本稿では、JATEとTELECの違いを詳細に解説し、日本市場への参入を目指す企業にとって必須となる知識を提供します。

JATE(旧称:型式指定):電波法の番人

JATEは、「指定無線設備の技術基準適合証明」の略称で、かつては「型式指定」と呼ばれていました。電波法に基づき、無線機器が電波法で定められた技術基準に適合しているかを審査する制度です。電波の混信や妨害を防ぎ、無線通信の円滑な運用を確保することを目的としています。

具体的には、無線機器から発生する電波の強度や周波数、不要な電波の発射レベルなどが審査対象となります。JATE認証を取得することで、その機器が電波法の技術基準に適合していることを証明し、日本で合法的に使用できるようになります。

かつてはJATE自体が認証機関でしたが、現在は登録認証機関が審査を行い、総務省がその結果を認可する体制となっています。この変更により、より迅速かつ効率的な認証プロセスが実現されました。

TELEC:電気通信事業法に基づく認証

一方、TELEC(Telecom Engineering Center)は、電気通信事業法に基づき、電気通信端末機器が技術基準に適合しているかを審査する制度です。電気通信回線に接続される機器が、回線設備や他の通信機器に悪影響を及ぼさないようにすることを目的としています。

TELECの審査対象は、電話機、FAX、モデム、ルーターなど、電気通信回線に接続される機器です。これらの機器が電気通信事業法の技術基準に適合していることを確認することで、通信品質の維持と安定した通信環境の構築を図っています。

TELECは、民間の第三者認証機関であり、総務省から指定を受けて認証業務を行っています。TELEC認証を取得することで、その機器が電気通信事業法の技術基準に適合していることを証明できます。

JATEとTELECの重要な違い:対象機器と法的根拠

JATEとTELECの最も重要な違いは、対象機器と法的根拠です。JATEは電波法に基づき、無線機器を対象としているのに対し、TELECは電気通信事業法に基づき、電気通信端末機器を対象としています。

例えば、携帯電話やPHS、無線LAN機器などは、無線機能を持つためJATE認証が必要です。同時に、電気通信回線に接続して通信を行うため、TELEC認証も必要となります。つまり、これらの機器は両方の認証を取得しなければ、日本市場で販売することができません。

一方で、Bluetooth機器のように無線機能のみを持つ機器はJATE認証が必要ですが、TELEC認証は不要です。また、ADSLモデムのように電気通信回線に接続するものの、無線機能を持たない機器はTELEC認証のみが必要です。

まとめ:日本市場参入への鍵

JATEとTELECは、日本市場へ無線機器や電気通信機器を投入する際に避けては通れない認証制度です。両者の違いを正しく理解し、適切な認証を取得することで、スムーズな市場参入を実現できるでしょう。それぞれの認証制度の最新情報や詳細な技術基準については、総務省やTELECのウェブサイトなどを参照することをお勧めします。 日本市場特有のこれらの認証制度への理解は、ビジネス成功の重要な鍵となるでしょう。