Wi-Fiルーターだけでインターネットは使えますか?

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Wi-Fiルーターだけではインターネット接続はできません。インターネットを利用するには、プロバイダとの契約が必要となります。ルーターは接続するための機器ですが、通信そのものはプロバイダが提供しているからです。
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Wi-Fiルーターだけではインターネットは使えますか?:実は繋がっていない落とし穴

多くの人が自宅でインターネットを楽しむ際にWi-Fiルーターを利用していますが、「Wi-Fiルーターさえあればインターネットが使える」と誤解している方も少なくありません。答えはNOです。Wi-Fiルーターだけではインターネットには接続できません。まるでコンセントにプラグを差し込むだけでは電気が使えないのと同じです。電気を供給してくれる電力会社が必要なように、インターネットを利用するにはインターネットサービスプロバイダ(ISP)との契約が必須となります。

Wi-Fiルーターは、インターネット回線を複数の端末で共有するためのハブのような役割を果たす機器です。いわば、家の中にインターネットを分配する装置と考えてください。ルーター自体はインターネット回線を生み出すことはできません。インターネットへの接続、つまりデータの送受信を行うための回線は、ISPが提供しています。

ISPとの契約によって、光ファイバーやADSL、ケーブルテレビ回線、モバイル回線など、様々な方法でインターネットに接続することが可能になります。これらの回線を通じて、ISPのサーバーからデータを受信し、またデータを送信することで、ウェブサイトの閲覧やメールの送受信、オンラインゲームなど、様々なインターネットサービスを利用できるのです。

Wi-Fiルーターは、このISPから提供されたインターネット回線を無線LANに変換し、スマートフォンやパソコン、ゲーム機などのWi-Fi対応機器がワイヤレスでインターネットにアクセスできるようにする役割を担っています。つまり、ルーターは接続するための「橋渡し役」であり、通信そのものはISPが提供している「道路」のようなものなのです。

例えば、家を水で満たしたいとします。水道管を家の中に引き込んでも、水道局との契約がなければ水は供給されません。Wi-Fiルーターは家の中に張り巡らされた水道管のようなもので、ISPとの契約は水道局との契約に相当します。水道局との契約があって初めて、水道管を通じて水が供給されるように、ISPとの契約があって初めて、ルーターを通じてインターネットが利用できるようになるのです。

また、最近ではモバイルWi-Fiルーターも普及しています。これはSIMカードを挿入することで、携帯電話回線を利用してインターネットに接続できるルーターです。一見、ISPとの契約が不要のように思えますが、実際にはSIMカードを提供する通信事業者と契約していることになります。つまり、この場合も通信事業者がISPの役割を果たしているのです。

さらに、カフェやホテルなどで提供されているフリーWi-Fiも、その施設がISPと契約し、インターネット回線を引いているからこそ利用できるものです。フリーWi-Fiの場合は、施設が利用者にインターネット接続を無料で提供しているというだけで、インターネット回線自体が無償で提供されているわけではありません。

このように、インターネットを利用するためには、必ず何らかの形でISPとの契約が必要となります。Wi-Fiルーターは便利な機器ですが、それ単体ではインターネットに接続することはできません。ISPとの契約という土台があって初めて、Wi-Fiルーターはその真価を発揮するのです。インターネットを利用する際には、この点をしっかりと理解しておくことが重要です。

最近では、ルーターとモデムが一体型になっている機器も増えてきています。これにより、一見すると一つの機器でインターネットに接続できているように見えますが、実際にはモデム部分がISPとの接続を担っており、ルーター部分はWi-Fiの配信を担っているという構造は変わりません。機器が一体化しているからといって、ISPとの契約が不要になるわけではないのです。 インターネットを快適に利用するためには、それぞれの機器の役割を理解し、適切な契約を行うことが大切です。