ノープレとはどういう意味ですか?

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野球の試合中断中に行われたプレーを「ノープレー」と言います。公式記録には残らず、試合に影響を与えません。悪天候による中断中などに起こることがあります。

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ノーゲームとノープレー:似て非なる野球のルール

野球には、試合が途中で打ち切られる場合があります。その際、「ノーゲーム」と「ノープレー」という似たような言葉が使われますが、その意味合いは大きく異なります。今回は、この二つの違い、特に「ノープレー」に焦点を当てて解説します。

まず「ノーゲーム」とは、試合が正式に成立しなかったことを意味します。一般的には、5回(後攻チームの場合は4回半)を終了する前に、降雨や日没などの理由で試合続行が不可能になった場合に宣言されます。この場合、それまでの試合経過は全て無効となり、公式記録には残りません。まるで最初から試合が行われなかったかのように扱われます。チケットの払い戻しなども行われます。

一方、「ノープレー」は、試合が中断している間に起こったプレーが、公式記録として認められないことを指します。試合自体は成立しており、中断後に再開される前提です。ノープレーとなる状況は様々ですが、代表的なのは以下の通りです。

  • 悪天候による中断中: 雨が一時的に弱まり、選手たちがグラウンドで軽い練習を始めることがあります。この際、ホームランを打ったり、華麗な守備を見せたりする場合もありますが、これらはあくまで練習の一環であり、公式記録には反映されません。

  • 試合成立後の中断中: 例えば、7回終了時点で試合が成立した後、雷雨で中断になったとします。この間、選手がファンサービスでキャッチボールを行い、観客を沸かせたとしても、これもノープレーです。

  • 誤審の訂正: 審判の誤審により、一度プレーが成立したように見えた場合でも、ビデオ判定などで誤審が認められれば、そのプレーはノープレーとされます。これは試合中断中とは少し異なりますが、公式記録に影響を与えないという意味では同じです。

なぜノープレーというルールが存在するのでしょうか?それは、公平性を保つためです。中断中は、両チームのコンディションが均等ではありません。例えば、雨でグラウンドが濡れていれば、守備側の不利になります。また、中断時間が長引けば、選手の集中力も低下するでしょう。このような状況下でのプレーを公式記録として認めてしまうと、不公平が生じる可能性があります。

ノープレーは、あくまで中断中の「おまけ」のようなものと捉えることができます。真剣勝負とは異なる、リラックスした雰囲気の中で行われるプレーであり、観客にとっては特別な楽しみとなることもあります。しかし、それが公式記録に影響を与えることはなく、試合再開後は中断前の状態から再開されます。

野球を観戦する際には、「ノーゲーム」と「ノープレー」の違いを理解しておくことで、より深くゲームを楽しむことができるでしょう。一見地味なルールですが、野球の公平性を保つ上で重要な役割を果たしているのです。また、選手たちのリラックスした表情や、ファンとの交流など、中断中の様子にも注目してみると、新たな発見があるかもしれません。

さらに、ノープレーは記録には残りませんが、ファンの記憶には残る場合があります。特に、中断中に披露されたスーパープレーや、選手とファンとの心温まる交流は、語り継がれるエピソードとなることもあります。公式記録には残らない、儚いながらも特別な瞬間、それがノープレーの魅力と言えるかもしれません。

最後に、ノープレーと混同しやすい「ノーカウント」についても触れておきます。ノーカウントとは、投球が無効と判定され、ボールカウントに影響を与えないことです。例えば、打者がバッターボックスから出ている状態で投球された場合などが該当します。これは試合中断とは関係なく発生するもので、ノープレーとは全く異なるルールです。

このように、野球には様々なルールが存在し、それぞれがゲームの公平性や円滑な進行を支えています。「ノープレー」という一見小さなルールにも、野球ならではの奥深さが隠されていると言えるでしょう。