日本人でB2レベルの英語を話す人は何人くらいいますか？

日本でB2レベルの英語を話す人：その数は？ そして真の英語力とは？

グローバル化が加速する現代、英語力の重要性はますます高まっています。特に日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や、ビジネスの国際化などを背景に、英語教育改革が進められ、英語力向上への関心が高まっています。では、日本でCEFRのB2レベル、つまり英検準1級から1級に相当する英語力を持つ人は一体どれくらいいるのでしょうか？

残念ながら、正確な人数を把握することは困難です。B2レベルを測る統一的なテストが全国民に実施されているわけではないからです。英検準1級・1級の合格者数は一つの指標となりますが、受験していない潜在的なB2レベルの人や、英検以外の方法で英語力を高めている人も多く存在します。TOEICやTOEFLなどの他の英語試験の結果も参考になりますが、これらの試験はCEFRと完全に一致するわけではなく、スピーキングやライティング能力を測る指標としては必ずしも十分とは言えません。

さらに、自己申告による英語力調査も存在しますが、客観的な評価が難しく、実際の能力との乖離が生じる可能性があります。例えば、ある程度英語が理解できても、積極的に話したり書いたりすることに抵抗を感じる「恥ずかしがり」な日本人は少なくありません。こうした人たちは、実際の能力よりも低いレベルで自己申告してしまう傾向があります。

では、B2レベルの英語力を持つ日本人の数を推定する上で、他にどのような要素を考慮すべきでしょうか？一つは、英語教育への投資額や、英語学習者数です。近年、日本政府は英語教育改革に力を入れており、小学校での英語授業の導入や、中学校・高校での英語教育の強化などが進められています。また、民間企業による英語教育サービスも充実しており、多くの日本人が英語学習に取り組んでいます。これらの要素は、B2レベルを含む、一定以上の英語力を持つ日本人の増加に寄与していると考えられます。

しかし、単にテストの点数や合格者数だけで英語力を測ることは、真のコミュニケーション能力を見落とす危険性があります。B2レベルは、複雑な文章の理解や、ある程度の流暢さでの会話が可能であることを示す指標ですが、真の英語力とは、単に文法や語彙の知識だけでなく、異文化理解やコミュニケーション能力、そして積極的に英語を使う姿勢も含めた総合的な力と言えるでしょう。

実際、ビジネスの現場では、完璧な文法で話すことよりも、相手に自分の考えを伝え、相互理解を深めることが重要です。つまり、B2レベルに到達することがゴールではなく、それを土台として、実践的なコミュニケーション能力を磨いていくことが求められます。

今後、日本社会のグローバル化がさらに進むにつれて、B2レベル以上の英語力を持つ人材の需要はますます高まるでしょう。そのため、単にテスト対策に終始するのではなく、実践的な英語運用能力を身につけるための学習が重要になります。そして、英語を学ぶ私たち一人ひとりが、積極的に英語を使い、異文化交流を楽しむ姿勢を持つことが、真の国際化につながるのではないでしょうか。

日本におけるB2レベルの英語話者数の正確な把握は難しいものの、様々な指標や背景から、その数は増加傾向にあると推測できます。しかし、真の英語力とは、単なるテストの点数ではなく、コミュニケーション能力や異文化理解力、そして積極的に英語を使う姿勢を含めた総合的な力であることを忘れてはなりません。