留学から帰国したら扶養から外れる？

留学からの帰国、扶養の壁：見落としがちな落とし穴と賢い対策

留学生活を終え、いよいよ日本へ帰国。久しぶりの家族との再会に心躍らせる一方で、意外な落とし穴が待ち構えているかもしれません。それは、「扶養」の問題です。特に、留学中にアルバイトなどで収入を得ていた場合、帰国後に扶養から外れてしまう可能性があるのです。

多くの場合、留学中は親御さんなど、誰かの扶養に入っている状態でしょう。扶養に入っているということは、扶養者は税制上の優遇措置を受けられています。しかし、扶養される側（あなた）の収入が一定額を超えると、扶養から外れてしまうのです。

なぜ留学中の収入が問題になるのか？

鍵となるのは、「年間103万円」という金額です。これは、所得税法上の扶養控除の対象となる収入の基準額。もし、留学中のアルバイト収入などが年間103万円を超えていた場合、帰国後に扶養から外れる可能性が高いのです。

見落としがちなポイント：海外収入も確定申告の対象

「海外で得た収入だから関係ない」と安易に考えてはいけません。海外で得た収入も、日本の所得税法上、確定申告の対象となります。たとえ現地で税金を納めていたとしても、日本での申告義務は免れません。

扶養から外れるとどうなる？

扶養から外れると、扶養者（親御さんなど）の税負担が増加します。具体的には、所得税や住民税が上がってしまう可能性があります。また、国民健康保険料なども自分で支払う必要が出てくるため、経済的な負担は確実に増えるでしょう。

帰国前にできる対策：収入の管理と情報収集

帰国後に慌てないために、留学中からできる対策を講じておきましょう。

• 収入の管理を徹底する: どれくらいの収入を得ているのか、常に把握するようにしましょう。可能であれば、収入と支出を記録しておくと、帰国後の確定申告の際に役立ちます。
• 現地の税制を理解する: 留学先の国での税金の仕組みを理解し、必要な手続きを行いましょう。源泉徴収票などの書類は必ず保管しておきましょう。
• 日本の税理士に相談する: 帰国後の確定申告や扶養に関する相談は、税理士に相談するのが確実です。留学経験のある税理士であれば、海外収入に関する知識も豊富なので、より的確なアドバイスが期待できます。
• 大学のキャリアセンターを活用する: 大学のキャリアセンターでは、卒業後の進路だけでなく、税金や社会保険に関する相談も受け付けている場合があります。積極的に活用してみましょう。
• 情報収集を怠らない: 国税庁のウェブサイトや税務署の窓口で、扶養に関する情報を収集しましょう。最新の情報に基づいた対策を取ることが大切です。

まとめ

留学は貴重な経験ですが、帰国後の扶養問題は、見落としがちな落とし穴です。事前にしっかりと対策を講じることで、スムーズな帰国後の生活を送ることができます。早めの情報収集と適切な対策で、税金に関する不安を解消し、新たなスタートを切りましょう。