「再度」は忌み言葉ですか?

8 ビュー
「再度」自体は忌み言葉ではありません。しかし、お悔やみの場では「度重なる不幸」を連想させる重ね言葉を避けることが望ましいため、「改めて」「あらためて」などの言葉を使う方が適切です。
コメント 0 好き

「再度」は失礼? 状況に合わせた言葉選びを

「再度ご連絡いたします」「再度お伺いします」… ビジネスシーンでも日常会話でも、よく耳にする「再度」という言葉。便利な言葉ですが、実は使う場面によっては失礼にあたる可能性も秘めていることをご存知でしょうか?

「再度」自体は、辞書的な意味では「もう一度」「再び」という意味で、特に誤った使い方ではありません。しかし、日本語には「重ね言葉」といって、不幸が重なることを避けるために、同じことを繰り返す言葉を嫌う文化があります。

特に、お悔やみの場では、この重ね言葉への配慮が重要になります。例えば、不幸が続くことを連想させる「度々」「くれぐれも」「重ね重ね」といった言葉は避け、「くれぐれもお大事に」ではなく「どうぞお大事に」、「重ね重ねありがとうございます」ではなく「誠にありがとうございます」と、言い換えるのが一般的です。

では、「再度」はどうでしょうか?

「再度」自体は、直接的に不幸を重ねる意味合いを持つわけではありません。しかし、「再度のご不幸をお詫び申し上げます」といった表現は、「不幸が二度と起こらないように」という願いとは相反するニュアンスを含んでしまいます。

そのため、お悔やみの場では、「再度」ではなく、「改めて」「あらためて」といった言葉を使い、「改めてお悔やみ申し上げます」「あらためてお詫び申し上げます」と表現する方が適切です。

一方、ビジネスシーンなど、お悔やみの場以外では、「再度」の使用は特に問題ありません。「再度ご連絡いたします」「再度ご確認ください」といった表現は、相手に失礼な印象を与えることなく、むしろ丁寧な印象を与えます。

このように、「再度」という言葉は、使う場面によって相手に与える印象が大きく変わってきます。日本語の繊細なニュアンスを理解し、状況に合わせて適切な言葉を選ぶことが、円滑なコミュニケーションには欠かせません。

言葉を制する者は、コミュニケーションを制す。 言葉の奥深さを再認識し、相手への配慮を忘れずに、豊かなコミュニケーションを心がけたいものです。