ニュージーランドのほうれん草とは？

ニュージーランドのほうれん草？ マオリの宝、カワカワの真実

「ニュージーランドのほうれん草」という言葉を聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、一般的に流通している緑色の葉野菜、西洋ほうれん草（Spinacia oleracea）ではないでしょうか。しかし、もしあなたがニュージーランド固有の植物について知りたいのであれば、その答えは少し違ってきます。

ニュージーランドで古くから「ほうれん草」のように利用されてきた植物、それはカワカワ (Kawakawa) です。学名は Macropiper excelsum。コショウ科の常緑樹で、マオリの人々にとっては、単なる食用植物以上の、文化的に非常に重要な存在です。

カワカワは、ニュージーランドの沿岸地域に広く自生しており、その独特のハート型の葉が特徴です。西洋ほうれん草のような葉野菜とは全く異なり、低木、あるいは小高木といった方が近いでしょう。

なぜ「ほうれん草」と呼ばれるのか？

「ニュージーランドのほうれん草」という表現が、カワカワに対して使われることは一般的ではありません。西洋ほうれん草とは全く異なる植物だからです。もしそう呼ばれることがあるとすれば、それはおそらく、葉を食用として利用する点において、西洋ほうれん草と似たような役割を担っているからでしょう。

カワカワの利用法

カワカワは、その葉、樹皮、根など、様々な部位が利用されます。

• 食用: 若葉は、柔らかく、わずかにスパイシーな風味が特徴です。サラダやスープ、炒め物など、様々な料理に使われます。マオリの人々は、伝統的にカワカワを蒸したり煮たりして食べ、消化を助けたり、体を温めたりする効果を期待していました。
• 薬用: カワカワは、伝統的なマオリ医学において、非常に重要な薬草として用いられてきました。抗炎症作用、抗菌作用、利尿作用などがあるとされ、傷の治療、胃腸の不調、皮膚病など、様々な症状の緩和に利用されてきました。
• 儀式用: カワカワは、マオリの儀式や集会においても重要な役割を果たします。歓迎の儀式や、部族間の交渉など、神聖な場面で使用され、平和と調和の象徴とされています。

カワカワの注意点

カワカワは、一般的に安全に食べられるとされていますが、過剰摂取には注意が必要です。特に、妊婦や授乳中の女性は、摂取を控えるようにしましょう。また、アレルギー体質の人は、念のため少量から試すことをお勧めします。

まとめ

「ニュージーランドのほうれん草」という言葉から、西洋ほうれん草を連想するのは自然ですが、ニュージーランド固有の植物について語るならば、カワカワという選択肢を忘れてはなりません。カワカワは、マオリの文化と深く結びついた、貴重な植物なのです。食用、薬用、儀式用と、多岐にわたる利用法からも、その重要性が伺えます。次回、ニュージーランドを訪れる機会があれば、ぜひカワカワを探してみてください。きっと、その魅力に引き込まれることでしょう。