アメリカに90日滞在できるルールは？

アメリカに90日滞在できるルール、ESTAだけじゃない？ 知っておくべき落とし穴

アメリカへの旅行、特に短期間の観光は、日本人にとって比較的容易になりました。多くの方が「90日以内ならビザなしでOK」という認識をお持ちでしょう。確かに、これは間違いではありません。しかし、この90日ルールには、知っておくべき重要なポイントや、誤解しやすい落とし穴が存在します。本記事では、90日ルールを中心に、アメリカ滞在における注意点について詳しく解説します。

まず、90日以内の滞在を可能にしているのは、ビザ免除プログラム（Visa Waiver Program、略してVWP）です。日本はこのVWP対象国であり、有効なパスポートと事前にESTA（電子渡航認証システム）の申請・認証を受けていれば、観光、商用、通過目的で90日以内の滞在が認められます。ESTAはオンラインで簡単に申請でき、通常数日以内に認証されます。

しかし、ESTAを取得したからといって、完全に安心というわけではありません。アメリカの入国審査官は、最終的な入国可否を判断する権限を持っています。以下のようなケースでは、ESTAを持っていても入国を拒否される可能性があります。

• 過去にアメリカへの入国を拒否されたことがある場合: 入国拒否の理由によっては、ESTAが認証されていても入国できないことがあります。
• 過去にビザを取得し、その後不法滞在や違反行為があった場合: 過去の違反歴は厳しく審査されます。
• ESTA申請時に虚偽の申告をした場合: 虚偽申告は重大な違反行為とみなされます。
• 入国審査官が、滞在目的や帰国意思に疑念を抱いた場合: 観光目的以外の滞在を疑われたり、帰国する意思がないと判断されたりすると、入国を拒否されることがあります。

また、90日ルールには、以下のような制限があります。

• アメリカ国内でのビザの切り替えは原則不可: ESTAで入国後、アメリカ国内で学生ビザや就労ビザに切り替えることは、原則として認められていません。例外的に認められる場合もありますが、非常にハードルが高いことを理解しておく必要があります。
• 90日を超えて滞在したい場合はビザが必要: 90日を超える滞在を希望する場合は、必ず事前に目的に合ったビザを取得する必要があります。
• 隣国からの再入国も日数にカウントされる場合がある: 例えば、アメリカに80日間滞在し、その後カナダに10日間滞在してから再びアメリカに入国した場合、90日ルールがリセットされない場合があります。再入国時に、当初の90日間の滞在期間を延長しようとしていると判断されると、入国を拒否される可能性があります。

これらの点に注意し、アメリカへの旅行を計画しましょう。90日ルールを理解し、ESTAの申請を適切に行うことはもちろん、入国審査で誤解を招かないように、明確な滞在目的と帰国意思を伝えることが重要です。

特に、長期滞在を予定している場合は、ビザの取得を検討することをおすすめします。アメリカ大使館や領事館のウェブサイトで、必要なビザの種類や申請方法を確認し、余裕をもって準備を進めましょう。

アメリカ旅行が、安全で楽しい思い出となるように、事前の準備をしっかりと行いましょう。