サンダーバードの最速達便は?

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サンダーバードの最速運行は、2021年時点、新大阪~福井間を結ぶ一部列車に限られます。その表定速度は驚異の104km/h、国内在来線特急で唯一100km/hの大台を突破しており、他路線を圧倒するスピードを誇ります。 停車駅は極めて少なく、まさに最速達の名にふさわしい運行形態です。

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雷鳥(サンダーバード)最速達伝説:福井行きの韋駄天!

雷鳥(サンダーバード)といえば、その洗練されたフォルムと快適な車内で、大阪と北陸を結ぶ特急列車として広く知られています。しかし、その輝かしい歴史の中で、最高速度だけでは語りきれない、”最速達”という一点に特化した伝説的な列車が存在したことをご存知でしょうか?

それは、2021年まで運行されていた、新大阪~福井間を結ぶ、ごく一部の雷鳥(サンダーバード)です。他の路線を走るサンダーバードが、金沢や和倉温泉などを目指す中、この列車は福井という一点に集中し、驚異的な速さで駆け抜けていました。

なぜ、福井行きだけが特別だったのか?

その理由は、停車駅の少なさにあります。他のサンダーバードが、京都、敦賀など、主要な駅に停車するのに対し、この福井行きの列車は、停車駅を極限まで絞り込み、ノンストップに近い状態を実現していました。それによって、駅間距離を最大限に活かし、加速と減速のロスを最小限に抑えることが可能になったのです。

その結果、表定速度は驚異の104km/hを記録。これは、国内の在来線特急としては唯一、100km/hの大台を超えるものであり、他のサンダーバードはおろか、国内の多くの特急列車を圧倒するスピードでした。

数字だけでは語れない、最速達列車の魅力

もちろん、速さだけがこの列車の魅力ではありません。福井を目指すビジネス客にとっては、貴重な移動時間を短縮できるだけでなく、車内で仕事に集中できる時間が増えるというメリットがありました。また、観光客にとっては、目的地である福井に、より早く到着し、観光時間を最大限に活用できるという利点がありました。

最速達のサンダーバードは、単なる移動手段ではなく、時間という価値を提供することで、多くの人々に恩恵をもたらした存在だったと言えるでしょう。

現在は見られない、伝説の列車

残念ながら、2021年のダイヤ改正により、新大阪~福井間をノンストップに近い形で運行するサンダーバードは姿を消しました。しかし、その記録は、今もなお破られていません。

いつか、再び、このような、一点に集中した「最速達」というコンセプトを持った列車が登場することを願ってやみません。それは、技術の進歩が生み出す新たな可能性であり、人々の移動に対するニーズを的確に捉えた、革新的なアプローチであると言えるでしょう。