シカゴ空港の3文字コードは？

シカゴの空港コード「ORD」の意外なルーツ：単なる略称ではない物語

シカゴの空港、特にオヘア国際空港を利用したことがある方は、航空券や手荷物タグに「ORD」という3レターコードを目にしたことがあるでしょう。この3文字は、世界中の空港を識別するための重要な識別子であり、シカゴの空の玄関口を特定する役割を果たしています。しかし、「ORD」が単なる「O’Hare」の略称ではないことをご存知でしょうか？ その背後には、シカゴの歴史と空港の変遷が深く関わっています。

実は、「ORD」はオヘア国際空港の元々の名前、オーチャードプレイス空港（Orchard Place Airport）に由来しています。第二次世界大戦中、この場所はボーイング社が軍用機を製造するための飛行場として使用されていました。オーチャードプレイスという名前は、周辺地域が果樹園だったことに由来するとされています。

戦後、シカゴ市はオーチャードプレイス空港を商業空港として再開発することを決定しました。そして1949年、第二次世界大戦の英雄であり、名誉勲章を受章したエドワード・”ブッチ”・オヘア中佐にちなんで、空港はオヘア国際空港（O’Hare International Airport）と改名されました。

しかし、空港名が変わっても、国際航空運送協会（IATA）によって割り当てられた3レターコード「ORD」は変更されませんでした。これは、航空業界における混乱を避けるため、既存のコードを維持することが一般的であるためです。新しい空港名に合わせて「OHA」などのコードに変更することも可能でしたが、航空券システムや手荷物管理システムなど、既存のインフラ全体を更新する必要があり、莫大な費用と手間がかかります。

このように、「ORD」というコードは、単なる略称ではなく、シカゴの空港の歴史と変遷、そして航空業界の慣習を物語る、一種の歴史的遺産とも言えるでしょう。次にオヘア国際空港を利用する際には、このコードの背後にある物語を思い出してみてはいかがでしょうか。それは、単なる空港以上の、シカゴの歴史の一部なのです。

さらに、「ORD」は、現在では世界でも有数の規模を誇る国際空港であるオヘア国際空港を象徴するコードとして、航空業界に深く根付いています。世界中のパイロット、航空管制官、旅行者にとって、「ORD」はシカゴ、そしてアメリカ合衆国を代表する空港の一つを意味する普遍的な記号として認識されています。