トランジットで入国審査がある国は？

トランジットで入国審査？知っておきたい意外な落とし穴

トランジット（乗り継ぎ）で海外へ行く際、目的地の入国条件ばかりに気を取られていませんか？実は、トランジットをする国によっては、入国審査が必要になる場合があるのです。

「え？ただ乗り換えるだけなのに？」と思われるかもしれませんが、いくつかのパターンが存在します。

1. 空港外に出る場合

これは想像しやすいケースでしょう。乗り継ぎ時間が長く、空港の外に出て観光や食事を楽しみたい場合、その国への入国が必要となります。当然ながら、その国の入国審査を受け、必要なビザを取得しなければなりません。時間に余裕があるからと安易に考えて、ビザの準備を怠ると、空港で足止めを食らう可能性もあります。

2. 国際線から国内線に乗り換える場合

意外と盲点なのがこのケース。例えば、ヨーロッパ圏内で国際線から国内線に乗り換える場合、シェンゲン協定加盟国を経由すると、最初に到着したシェンゲン協定加盟国で入国審査を受ける必要があります。これは、シェンゲン協定によって、加盟国間では国境検査が原則的に廃止されているためです。日本からドイツ経由でイタリアへ行く場合、ドイツで入国審査を受けることになります。

3. 航空会社やターミナルが異なる場合

航空会社やターミナルが異なる場合、預け入れ荷物を一旦受け取り、再度預け直す必要があるかもしれません。この場合、一度入国する必要がある場合もあります。特にLCC (格安航空会社) を利用する場合は注意が必要です。LCCは、大手航空会社と異なり、異なるターミナルに到着することが多く、ターミナル間の移動に時間がかかることがあります。また、預け入れ荷物の取り扱いも異なる場合があるので、事前に航空会社に確認しておくことをおすすめします。

4. 一部の国や地域

特定の国や地域では、トランジットであっても入国審査が必要となる場合があります。例えば、アメリカを経由する場合、たとえ空港内での乗り継ぎであっても、ESTA（電子渡航認証システム）の申請が必要となります。これは、アメリカ合衆国国土安全保障省運輸保安庁（TSA）による保安対策の一環です。また、オーストラリアを経由する場合も、ETA（電子渡航許可）の申請が必要となります。

対策と注意点

• 事前に目的地の国だけでなく、トランジット国の入国条件を確認する。 各国の入国管理に関する情報は、外務省のホームページや航空会社のサイトで確認できます。
• ビザが必要な場合は、時間に余裕を持って申請する。 ビザの申請には時間がかかる場合があるので、渡航日が決まり次第、早めに手続きを進めるようにしましょう。
• 航空会社に、乗り継ぎ時の入国審査の必要性について確認する。 特に、航空会社やターミナルが異なる場合は、事前に確認しておくことをおすすめします。
• 時間に余裕を持った乗り継ぎスケジュールを組む。 入国審査や荷物の受け取りなど、予期せぬ時間がかかる場合も考慮して、時間に余裕を持った乗り継ぎスケジュールを組むようにしましょう。
• パスポートの有効期限、ビザ、ESTAなどの必要書類を必ず携帯する。 これらが不足していると、入国を拒否される可能性があります。

トランジットでの入国審査は、事前の準備と情報収集が非常に重要です。うっかり見落としてしまうと、旅の計画が台無しになってしまう可能性も。しっかりと準備をして、スムーズな空の旅を楽しみましょう。