トランジットビザで滞在できる時間は？

中国トランジットビザ：10日間滞在が可能になった新ルールとその注意点

2023年12月17日以降、中国を経由して第三国へ渡航する多くの外国人は朗報に接したでしょう。中国政府は、トランジットビザ免除措置を大幅に拡大し、最長10日間（240時間）の中国滞在を可能にしたのです。従来の72時間または144時間制限から大幅な延長となり、中国での乗り継ぎ時間を有効活用できる機会が増えました。しかし、この新たなルールには、理解すべき注意点もいくつか存在します。

この10日間滞在の恩恵を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、重要なのは「第三国への渡航」である点です。中国を最終目的地として入国する場合は、この免除措置は適用されません。通常のビザ申請が必要となります。また、出発地と目的地、そして中国での航空会社が規定する乗り継ぎ時間など、具体的な条件は航空会社や出入国管理局によって異なる場合があります。出発前に航空会社や中国大使館・領事館のウェブサイトで、最新の情報を必ず確認するようにしましょう。

例えば、乗り継ぎ時間が短すぎる場合、この免除措置を利用できない可能性があります。また、免除措置の対象となる国籍も限定されている可能性があります。パスポートの有効期限にも注意が必要です。通常、パスポートの残存有効期間は、滞在期間を上回っている必要があります。これらの条件を満たしていない場合、たとえ乗り継ぎ時間が10日間以内であっても、トランジットビザの申請が必要になる可能性があることを理解しておきましょう。

さらに、この10日間の滞在期間中は、指定されたエリアから移動することはできません。多くの場合、空港周辺の限定された地域に滞在が制限されます。自由に中国を観光したり、他の都市を訪れたりする権利は与えられていません。空港周辺のホテルに宿泊する場合が多いでしょう。事前に宿泊施設を確保しておくことを強くお勧めします。

また、免除措置は、あくまでも「免除」であることを忘れてはいけません。これは、ビザが不要になったことを意味するものではなく、入国審査官の判断により、滞在許可が拒否される可能性があることを意味します。必要書類をしっかりと準備し、入国審査官に丁寧に説明することが重要です。例えば、第三国への航空券の予約確認書や、宿泊施設の予約確認書などは、提示を求められる可能性があります。

さらに、中国の入国管理に関する法律・規則は、予告なく変更される可能性があります。常に最新の情報をチェックし、誤った情報に基づいて行動しないように注意しましょう。信頼できる情報源からの情報収集を心がけ、必要に応じて専門機関に相談することをお勧めします。

最後に、この10日間のトランジットビザ免除措置は、中国への旅行をより便利にする一方で、新たな注意点も伴います。旅行前にしっかりと情報を収集し、準備することで、スムーズな乗り継ぎと快適な旅を実現できるでしょう。 常に最新情報を確認し、予期せぬ事態に備えることが、円滑な中国でのトランジットの鍵となります。