パスポートにスタンプを押さなくてもトラブルになる？

パスポートのスタンプ、本当に必要？押されなかったらどうなる？

パスポートに押される入国スタンプ（入国許可証印）は、海外旅行の思い出を形にするだけでなく、滞在許可の証明としても重要な役割を果たします。近年、自動化ゲートの普及や一部の国でのデジタル化により、スタンプが省略されるケースが増えていますが、「スタンプがなくても大丈夫」と安易に考えていると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

スタンプが重要な理由：滞在許可の証明と滞在期間の管理

入国スタンプは、あなたが正式に入国を許可されたことを示す証拠であり、滞在可能な期間を明確にする役割を果たします。たとえビザ免除協定を結んでいる国であっても、滞在可能な期間は通常定められています。スタンプがない場合、入国管理局はいつ、どのような資格で入国したのかを把握することが難しくなり、オーバーステイ（不法滞在）の疑いをかけられる可能性があります。

スタンプがないと起こりうるトラブル

• 出国時のトラブル: 出国審査の際、入国記録が見つからない場合、入国経緯の説明を求められることがあります。もし、適切な説明ができない場合、出国を拒否されたり、罰金を科せられたりする可能性があります。最悪の場合、拘留され、長期間にわたる調査を受けることにもなりかねません。
• ビザの申請・更新の際のトラブル: 他の国へのビザを申請する際や、現在滞在している国のビザを更新する際に、過去の入国記録が必要となる場合があります。入国スタンプがないと、過去の渡航履歴を証明することが難しくなり、ビザの申請が却下される可能性が高まります。
• 再入国拒否: オーバーステイの疑いをかけられた場合、最悪のケースとして、再入国を拒否される可能性があります。

スタンプが押されなかった時の対処法

もし、入国審査官が誤ってスタンプを押し忘れた場合、すぐにその旨を申し出て、押印してもらうようにしましょう。もし、その場で気付かなかった場合は、できるだけ早く入国管理局に連絡し、状況を説明して指示を仰ぐことが重要です。

• 現地の入国管理局に連絡: 入国管理局の窓口で事情を説明し、パスポートに入国記録を追記してもらう、または入国証明書を発行してもらうなどの対応を求めましょう。
• 航空券やホテルの予約確認書を保管: 入国日を証明できる航空券の半券やホテルの予約確認書などを保管しておくと、入国管理局への説明がスムーズに進む場合があります。
• 念のため弁護士に相談: 不安な場合は、現地の弁護士に相談することも検討しましょう。

自動化ゲート利用時の注意点

自動化ゲートを利用する場合、スタンプは基本的に押印されません。しかし、多くの国では、自動化ゲート通過後、希望すれば入国スタンプを押してもらうことができます。将来的なトラブルを避けるためにも、可能な限りスタンプを押してもらうことをお勧めします。

まとめ

入国スタンプは、単なる記念スタンプではなく、あなたの滞在を証明する重要な書類です。スタンプの有無が、その後の旅行やビザ申請に大きな影響を与える可能性があります。入国審査の際には、必ずスタンプが押されていることを確認し、万が一、押されていない場合は、速やかに適切な対応を取りましょう。特に自動化ゲートを利用する際は、意識してスタンプを求めることが、将来的なトラブルを未然に防ぐための賢明な選択と言えるでしょう。