パスポートの写真で禁止されていることは？

パスポート写真は、渡航の際に必要不可欠な書類であり、その写真は本人確認の重要な要素となります。そのため、写真撮影には厳格な規定が設けられており、多くの場合、申請が却下される原因となる違反も存在します。この記事では、パスポート写真で禁止されている事項について、詳しく解説します。単に禁止事項を列挙するだけでなく、その理由や、より良い写真撮影のためのヒントも合わせてご紹介します。

まず、最も重要なのは「自然な表情」です。笑顔や、驚いた顔、不自然な表情はNGです。審査官は、写真から申請者の普段の容姿を正確に把握する必要があります。笑顔は、顔の筋肉の動きによって、普段とは異なる印象を与えかねません。また、奇抜な表情も、本人確認の精度を著しく低下させる可能性があります。写真は、無表情か、ごく自然な表情で撮影するのが理想です。口角を少しだけ上げる程度の、控えめな表情であれば問題ない場合が多いですが、あくまでも自然な範囲に留めることが重要です。

次に、メイクについても制限があります。濃いメイクは避け、普段通りの、自然なメイクに留めましょう。特に、アイメイクは注意が必要です。アイシャドウ、マスカラ、アイライナーは、控えめに、または使用しない方が安全です。つけまつげは完全に禁止です。また、カラーコンタクトレンズも、瞳の色や大きさを変えるため、使用してはいけません。普段コンタクトレンズを使用している方も、無色のものに変更するか、眼鏡で撮影することを検討しましょう。写真と本人の相違が少しでもあれば、申請は却下される可能性が高くなります。

服装に関しても、規定があります。派手な服装や、帽子、サングラスなどのアクセサリーは原則禁止です。宗教上の理由で着用が不可欠な場合は別ですが、通常はシンプルな服装で撮影することが求められます。宗教的なヘッドギアを着用する場合は、顔全体がはっきりと見えるように配慮しましょう。首元まで写るような服装を選ぶと、より安全です。また、背景も無地の白または淡い色の背景が推奨されており、模様や人物などが写り込んでいると却下される可能性があります。

さらに、写真のサイズ、画質、鮮明さも重要です。規定されたサイズに正確に合わせ、鮮明で焦点が合っている写真である必要があります。ぼやけた写真や、影が強く写り込んでいる写真なども却下される可能性があります。写真館で撮影する場合、パスポート写真用の撮影サービスを利用することで、これらの点をプロが配慮してくれるため、申請がスムーズに進みます。

最後に、デジタル写真の加工も厳禁です。写真編集ソフトを使って、肌の修正やシワの除去、顔の形の変更などを行うと、写真と本人の相違が生じ、申請が却下される原因となります。写真編集ソフトを使った加工は一切行わず、自然な状態の写真を使用しましょう。

パスポート写真の規定は国によって若干異なる場合もありますが、基本的には上記のような点に注意することで、申請がスムーズに進みます。 申請前に、該当国の外務省ホームページなどで最新の規定を確認し、確実な情報を元に撮影を行いましょう。 些細なミスが、渡航の予定を大きく狂わせる可能性があることを忘れずに、慎重な準備を心がけてください。