京都の外国人宿泊数は？

京都の外国人宿泊者数：7月は微増、回復基調続くも課題は山積み

古都・京都は、その美しい景観や歴史的な建造物、伝統文化で国内外から多くの観光客を魅了してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、観光業は深刻な打撃を受けました。

京都市が発表した宿泊旅行統計調査によると、2023年7月の市内の調査対象宿泊施設における外国人延べ宿泊者数は55万9273泊となり、前月比0.2%増と微増傾向を示しました。これは、水際対策の緩和や円安の影響もあり、インバウンド需要の回復傾向が続いていることを示唆しています。

特に、欧米からの観光客の増加が目立ちます。7月の欧米からの宿泊者数は前年同月比で約10倍に増加しており、円安によって割安感が高まっていることや、夏休みシーズンということも相まって、多くの観光客が京都を訪れていると考えられます。

しかし、依然としてコロナ禍前の水準には遠く及んでいません。2019年7月の外国人宿泊者数は約72万人泊であったことから、回復率は約78%にとどまっています。

また、観光客の増加に伴い、オーバーツーリズムによる問題も再び顕在化しつつあります。観光客の集中による混雑や騒音、ゴミ問題などが発生しており、地域住民の生活環境への影響も懸念されています。

さらに、観光客の消費動向の変化も課題として挙げられます。コロナ禍以前は、団体旅行客による高額な消費が期待できましたが、現在は個人旅行客が中心となり、一人当たりの消費額は減少傾向にあります。

これらの課題を解決し、持続可能な観光を実現するためには、観光客の分散化や周遊促進、新たな観光コンテンツの開発、多言語対応の強化など、様々な取り組みが必要となります。

京都市は、観光客と地域住民双方にとってより良い環境を構築するために、関係機関と連携し、これらの課題解決に積極的に取り組んでいく必要があります。