大阪へのインバウンドは国別でどの国が多いですか？

大阪観光、インバウンド復活の兆し：国別に見る観光客の動向

新型コロナウイルス感染症の影響で長らく低迷していたインバウンド観光。しかし、水際対策の緩和に伴い、大阪にも外国人観光客が戻りつつあります。賑わいを取り戻しつつある大阪の街で、一体どの国からの観光客が多いのでしょうか？過去のデータと最近の傾向を分析し、大阪観光の現状を紐解いていきます。

2019年、大阪を訪れた外国人観光客は過去最高の約1,200万人に達しました。その内訳を見ると、中国からの観光客が全体の約45%を占め、圧倒的な存在感を示していました。続いて韓国、台湾、香港、アメリカと続き、これら上位5カ国で全体の約80%を占めるという状況でした。中国からの観光客は爆買いブームの牽引役として、大阪の経済に大きく貢献していたと言えるでしょう。

しかし、パンデミックにより状況は一変しました。国境が閉鎖され、インバウンド観光はほぼ壊滅状態に。2020年、2021年は外国人観光客数は激減し、街から賑わいが消えました。

2022年後半から入国制限が徐々に緩和されると、大阪にも少しずつ外国人観光客が戻り始めました。当初は近隣諸国からの観光客が中心でしたが、徐々に欧米からの観光客も増加傾向にあります。

では、現在の大阪のインバウンドはどの国からの観光客が多いのでしょうか？正確な統計はまだ出ていませんが、観光業界関係者の話や街の様子から推測すると、韓国、台湾からの観光客の回復が早いようです。円安の影響もあり、ショッピングやグルメを楽しむ姿が目立ちます。また、東南アジア諸国からの観光客も増加傾向にあり、特にタイやベトナムからの観光客が増えているという声も聞かれます。

一方、かつて最大のシェアを誇っていた中国からの観光客は、依然として少ない状況です。中国のゼロコロナ政策の影響で、海外旅行への制限が続いていることが主な要因と考えられます。今後、中国の政策がどのように変化していくかによって、大阪のインバウンド市場も大きく左右されるでしょう。

パンデミックを経て、大阪のインバウンド市場は新たな局面を迎えています。かつてのように特定の国に依存するのではなく、より多様な国からの観光客を誘致する必要性が高まっています。そのためには、各国の文化やニーズに合わせた観光コンテンツの開発や多言語対応の強化などが不可欠です。

また、サステナブルツーリズムへの意識の高まりも無視できません。環境負荷を低減し、地域社会との共生を図る観光のあり方が求められています。観光客と地域住民双方にとってより良い観光を実現するために、関係者一体となった取り組みが重要となるでしょう。

大阪は、歴史的な建造物から最新のエンターテインメント施設まで、多様な魅力を持つ都市です。今後、更なるインバウンドの回復に向けて、大阪の魅力を世界に発信し、より多くの外国人観光客を呼び込むための努力が続けられています。多様な国からの観光客が訪れ、活気に満ちた大阪の街が、再び世界中の人々を魅了していくことを期待したいと思います。