新婚旅行に行かなかったカップルの割合は？

新婚旅行、行かない？現代カップルの選択と背景

「新婚旅行」という言葉からは、白い砂浜、青い海、そして新生活への希望に満ちた二人の姿が思い浮かびます。しかし、現実には、新婚旅行に行かないカップルが増加傾向にあるという事実があります。一体、どの程度のカップルが新婚旅行を諦めているのでしょうか？そして、その背景にはどのような理由が潜んでいるのでしょうか？

冒頭で述べたように、結婚後、新婚旅行に行かないカップルの割合は、およそ3分の1に上ると推測されています。これは決して小さな数字ではなく、多くのカップルが伝統的な新婚旅行という枠組みの外で、新たな人生のスタートを切っていることを示唆しています。 しかし、この数値はあくまで推計であり、調査方法や対象によって変動する可能性があります。例えば、首都圏を対象とした特定の調査では、2016年から2020年にかけては20％以下と比較的低い数値を示していました。しかし、2021年には約29％まで急増したという報告もあり、この数値の変動から、社会情勢や経済状況が新婚旅行への選択に大きく影響していることが推察されます。

では、具体的にどのような要因が新婚旅行を諦める選択に繋がっているのでしょうか？

まず、挙げられるのは圧倒的に経済的な理由です。新婚旅行は、航空券、宿泊費、食事代、アクティビティ代など、多額の費用がかかります。特に近年は、物価高騰や円安の影響を受け、海外旅行の費用は増加傾向にあります。住宅購入やマイホーム建設、生活用品の購入など、結婚後には多くの出費が伴うため、新婚旅行の費用を捻出することが難しいと考えるカップルは少なくありません。貯蓄が少ない、または住宅ローンを抱えているカップルにとっては、新婚旅行は贅沢品と捉えられ、優先順位が低くなるケースが多いでしょう。

次に、時間的な制約も大きな要因です。結婚準備や引っ越し、新しい職場への適応など、結婚後には多くのタスクが待ち受けています。限られた休暇の中で、長期間の海外旅行を計画し、実行するのは容易ではありません。特に、共働き世帯では、両方の休暇日程を調整する必要があり、旅行計画の難易度が更に高まります。

さらに、価値観の変化も無視できません。従来の「新婚旅行」という概念に捉われず、自分たちにとって本当に大切な過ごし方を選ぶカップルが増えているのです。例えば、国内旅行でゆっくりと過ごす、新居の片付けやDIYに時間を充てる、貯蓄に回すなど、新婚旅行以外の選択肢を積極的に選ぶカップルは、世代や価値観によって増加傾向にあります。

また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行も大きな影響を与えました。渡航制限や感染リスクへの懸念から、海外旅行を諦めるカップルが急増したことは容易に想像できます。

これらの要因は複雑に絡み合い、新婚旅行を諦める選択を後押ししています。今後、経済状況や社会情勢の変化、そして個々のカップルの価値観によって、新婚旅行へのスタンスはさらに多様化していくと考えられます。 もはや新婚旅行は「必須」ではなく、「選択」である時代と言えるのかもしれません。 重要なのは、カップルが話し合い、自分たちにとって最適な方法で新たな人生のスタートを切るということです。 そして、その選択を尊重することが、現代社会における結婚観の理解に繋がるのではないでしょうか。